連綿体

連綿体：文字の美しさを繋ぐ書体

連綿体は、文字と文字とを繋げて書く書体であり、欧文書体におけるスクリプト体に相当します。手書きの書体として生まれ、行書体や草書体をベースとしたものが存在していました。かつては木版印刷にも用いられていましたが、活版印刷の普及とともに衰退しました。

しかし、連綿体はその独特な美しさから、年賀状や芸術作品など、限られた用途で生き残ってきました。そして、コンピュータ技術の発展により、ゴシック体風や明朝体風の連綿体フォントが登場し、新たな表現の可能性を広げています。

連綿体フォントの種類

連綿体フォントには、様々な種類があります。

行書連綿体
シーアンドジイ：C&G流麗連綿体
Arphic Technology：AR祥南真筆行書連綿体、AR行楷連綿体
Adobe：かづらき (連綿は一部のみ)
宇野由希子+山田和寛：こうぜい (通常では意連のみ、OpenTypeの合字機能により連綿に対応。カタカナ及び漢字未収録)
モリサワ：澄月
草書連綿体
嵯峨本フォントプロジェクト：嵯峨本フォント
明朝体風連綿体
モリサワ：みちくさ
ゴシック体風連綿体
dwuk：IKれんめんちっく

連綿体活字の歴史

連綿体の活字は、1600年前後のキリシタン版に初めて使用されましたが、キリシタン追放とともに消滅しました。その後、片仮名活字は1818年にフランスで、平仮名活字は1847年にウィーンで、そして1854年に再びフランスで制作されました。日本においては、1875年に初めて登場しました。

連綿体は、その流れるような美しい筆運びで、文字に独特の表情を与えます。手書きの温もりを感じさせる連綿体は、デジタル化された現代においても、その魅力を失うことなく、新たな表現の可能性を追求し続けています。

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