連雀

連雀（れんじゃく）

連雀とは、主に以下の3つの意味を持つ言葉です。

1. 背負子としての連雀
物を背負う際に使用する道具で、肩に当たる部分を広く編んだ縄や、それを木の枠に取り付けたものが一般的です。連尺とも書きます。
江戸時代には、多くの行商人がこの連雀に荷物を担いで各地を往来しました。
中世から江戸時代にかけて、連雀で運搬する行商人を連雀商人、または連雀衆と呼びました。
元々は渡り鳥の連雀を指す言葉でしたが、連尺を使う行商人が渡り鳥のように見えたことから、連雀が連尺の同義語としても使われるようになりました。
江戸時代の城下町では、行商人が連尺に荷物を繋げたまま店を出す場所があり、それが各地の「連尺」「連雀」「連尺町」の地名の由来になったとされています。

2. 地名としての連雀
日本各地に「連雀」や「連尺」を含む地名が見られます。これらの地名の多くは、行商や連雀商人との関連が深いとされています。
主な例としては、以下のようなものがあります。
群馬県高崎市連雀町（れんじゃくちょう）
埼玉県川越市連雀町（れんじゃくちょう）
東京都三鷹市下連雀（しもれんじゃく）：明暦の大火で焼失した神田区連雀町の一部住民が、移住先として開発した「連雀新田」に由来します。
東京都三鷹市上連雀（かみれんじゃく）：下連雀に隣接する地域で、地元農民によって開発された新田です。
東京都千代田区神田須田町一丁目・神田淡路町二丁目（旧東京市神田区連雀町）：関東大震災後の区画整理により町名が変更されました。
静岡県掛川市連雀（れんじゃく）
静岡県浜松市中央区連尺町（れんじゃくちょう）
愛知県岡崎市連尺通（れんじゃくどおり）

これらの地名は、かつて連雀を使って商いをする人々が多く行き交っていた場所や、彼らが住み着いた場所に名付けられたと考えられます。

関連項目

伝馬町
紺屋町 (曖昧さ回避)
* 鍛冶町 (曖昧さ回避)

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