週刊将棋

週刊将棋：日本将棋界を彩った唯一の週刊誌

「週刊将棋」は、日本将棋連盟が発行し、マイナビ出版（旧・毎日コミュニケーションズ）が販売していた、世界で唯一の将棋専門週刊誌でした。1984年1月25日の創刊から、将棋界の様々な情報を伝える役割を担い、2016年3月30日号をもって休刊するまで、多くの将棋ファンに愛読されました。

創刊と歴史

毎日新聞社の社員であった柳沼正秀氏の提案により創刊された「週刊将棋」。タブロイド判24ページ（年末年始合併号は32ページ）の紙面で、国内のタイトル戦やマイナビ女子オープンなどの棋譜・解説記事、技術講座、将棋ソフトやウェブサイト情報などを掲載していました。毎週水曜日に発行され、原則モノクロでしたが、毎月1回程度カラーページも設けられていました。

発行部数は20万部とされ、毎日新聞販売店を通じて全国に届けられていました。2012年6月13日からは電子版も発行開始。しかし、インターネットの普及による情報環境の変化を背景に、2015年10月に休刊が発表されました。

休刊後も、藤井聡太七冠が棋聖・王位を獲得した際には、それぞれ特別記念号が発行されるなど、将棋界における特別な存在感を示しました。

紙面の内容と特徴

「週刊将棋」は、将棋に関する幅広い情報を網羅していました。プロ棋戦の棋譜や解説はもちろん、アマチュア棋士や将棋愛好家に向けた技術的な解説記事や、最新の将棋ソフト・ウェブサイトの情報なども掲載されていました。

また、初心者から上級者まで楽しめるよう、様々なレベルの読者に対応した記事構成が特徴でした。将棋のルールや基本的な戦法から、高度な戦術・戦略まで、幅広い内容が提供され、将棋ファンにとって貴重な情報源となっていました。

編集スタッフと販売

「週刊将棋」には、数多くの編集スタッフが携わっていました。大崎千明氏、柳沼正秀氏、小川明久氏、古作登氏、出戸英一郎氏、日比生康弘氏、雨宮知典氏ら、多くの編集長が誌面作りを牽引しました。また、横田稔氏、嶋屋佐知子氏、斎藤哲男氏、椎名龍一氏（加藤久康、遊駒スカ太郎名義でも活動）、浅川浩氏（浅川書房）、長谷川暢昭氏、内田晶氏、上地隆蔵氏、下村龍正氏、下村康史氏、西村詩氏、加藤まどか氏、渡部壮大氏など、多くの編集部出身者が将棋界の発展に貢献しました。

販売は、毎日新聞販売店による宅配のほか、全国主要駅やコンビニエンスストアでの販売、郵送も行われていました。

出版書籍

「週刊将棋」編集部は、多数の書籍を出版しました。戦法別ガイドブックや詰将棋問題集、将棋の歴史や名局を紹介する書籍など、多様なジャンルの書籍が出版され、将棋ファンに広く親しまれていました。
これらの書籍は、初心者から上級者まで、幅広い層の将棋愛好家の学習や娯楽に役立ちました。

影響とその後

「週刊将棋」は、長年にわたり将棋界の発展に貢献し、多くの将棋ファンに愛されました。休刊は多くの将棋ファンにとって残念な出来事でしたが、デジタル化の進展やメディア環境の変化という時代の流れの中で、その役割を終えたと言えるでしょう。しかし、発行された書籍や電子版のアーカイブを通じて、その存在はこれからも将棋界に語り継がれていくことでしょう。

関連雑誌

「週刊将棋」と同様に、日本将棋連盟が発行する雑誌として「将棋世界」があります。また、囲碁専門の週刊誌「週刊碁」も存在します。これら雑誌は、「週刊将棋」と同様に将棋界・囲碁界の発展に貢献しています。

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