古作登

古作登（こさく のぼる）

古作登（1963年 - ）は、日本の将棋アマチュア強豪であり、元ジャーナリスト・編集者、そして頭脳スポーツ研究者として知られています。現在は奈良県に在住し、大阪商業大学アミューズメント産業研究所主任研究員、および大阪商業大学非常勤講師を務めています。

経歴

早稲田大学教育学部教育学科教育心理学専修を卒業。8歳で将棋を覚え、少年時代からアマチュア強豪としてその名を知られていました。1979年には、筑波大学付属高等学校在学中に全国高校将棋選手権で優勝。同年、16歳にして全国アマチュア王座戦で準優勝という輝かしい成績を収めました。この年、『将棋世界』誌上の企画で行われたプロアマオープン戦で、プロデビューしたばかりの脇謙二（当時四段）と対局するという貴重な経験もしています。1980年には、社会人VS学生対抗戦に学生側として出場し、真剣師の小池重明（当時32歳）と対戦し勝利を収めました。

早稲田大学在学中には、関東新人王や東日本学生名人などのタイトルを獲得。1982年に新進棋士奨励会へ1級で入会しますが、1989年に三段で退会。同期には森内俊之や羽生善治といった、後に将棋界を牽引する棋士たちがいました。

奨励会退会後は毎日コミュニケーションズ（現・マイナビ）に入社。「週刊将棋」の編集に携わり、1996年から2002年まで編集長を務めました。その後、囲碁書籍編集長、アミューズメント編集課長、ネット事業課長を経て退職。1996年から1998年には、NHK・BS2「囲碁・将棋ウィークリー」の司会も担当しました。

2007年に女流棋士が日本将棋連盟から独立する運動が起きた際には、設立準備委員会の広報担当を務めました。

2008年から2011年まで大阪商業大学アミューズメント産業研究所研究員、2018年からは大阪商業大学公共学部助教、2011年からは大阪商業大学アミューズメント産業研究所主任研究員として、将棋・囲碁を中心とした頭脳スポーツ全般の研究に取り組んでいます。そのため、将棋だけでなく囲碁への造詣も深く、自身のFacebookでは囲碁を自称アマチュア四段としており、近年では囲碁に関する研究論文も執筆しています。

2017年の第30回アマチュア竜王戦で4位に入賞し、第31期竜王戦6組への出場権を獲得。54歳での公式戦初出場は、アマチュアとしては最年長記録となりました。ランキング戦1回戦では浦野真彦に敗れています。翌2018年の第31回アマチュア竜王戦でも3位となり、2期連続で竜王戦6組の出場権を得ましたが、ランキング戦1回戦で神崎健二に敗れました。2019年の第32回アマチュア竜王戦でも再び4位となり、3期連続で竜王戦6組に出場しましたが、ランキング戦1回戦で奨励会員の古賀悠聖に敗れています。

エピソード：入玉宣言法適用第1号

2012年、入玉宣言法が試験的に導入されていた第66回全日本アマチュア将棋名人戦に奈良県代表として出場し3位入賞。3回戦で栃木県代表の桐山隆との対局で、2局目に持将棋模様となる中、最終盤で入玉に成功。相入玉の末、当時導入されたばかりの「入玉宣言法」を適用し勝利しました。これは同大会における入玉宣言法の適用第1号となりました。

当時の入玉宣言法は27点法が導入されており、成立には複数の要件がありました。宣言者が全ての要件を満たさなければ不成立となり、敗北となるという厳しい規定が存在しました。秒読みの中、全ての条件を満たしているかを見極める必要があり、難易度が高い為に宣言を躊躇する者もいたと言われています。その中で、後手番だった古作は274手目に自ら宣言し、判定の結果、全ての条件を満たしていた為に宣言は成立。規定により勝利を掴みました。

著書

『よくわかる将棋入門』 渡辺明 (監修) 小学館 2008年
『人間に勝つコンピュータ将棋の作り方』 瀧澤武信編著、共著者（松原仁、古作登、橋本剛、小谷善行、鶴岡慶雅、山下宏、金子知適、保木邦仁、伊藤毅志、竹内章、篠田正人）、コンピュータ将棋協会(監修)　技術評論社 2012年

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