進藤俊重

進藤俊重

進藤俊重（しんどう とししげ）は、寛永16年（1639年）に生まれ、享保7年（1722年）に没した江戸時代前期の武士です。彼は安芸国広島藩浅野氏の家臣であり、幼名を弥助、通称を八郎右衛門と称しました。

生涯

進藤俊重は、広島藩士である進藤八郎右衛門就信の子として生まれました。彼の兄（または弟）には、赤穂藩浅野氏の家臣である進藤与四郎俊順がいます。「芸州藩侍帳」によれば、俊重は山奉行兼足軽頭として300石を領していました。

元禄14年（1701年）に赤穂藩主・浅野長矩が刃傷事件を起こした際、俊重は重要な役割を担うことになります。元禄15年（1702年）7月18日、浅野長矩の弟である浅野長広の預かりが決定し、長広は7月29日に江戸を出発しました。この際、俊重は広島藩船奉行植木小左衛門の代理として大阪へ赴き、長広一行を大阪から広島まで船で輸送する任務にあたりました。

この代理任務の背景には、広島藩家老の沖権太夫忠祐からの密命がありました。それは、山科にいる俊重の親族である大石良雄を吉良家への仇討ちから鎮撫するというものでした。俊重は実際に京都で大石と面会し、説得を試みました。さらに、甥にあたる進藤俊式をはじめ、奥野定良・小山良師・河村伝兵衛らの説得にもあたり、神文返しの際に彼らを脱盟させることで、赤穂浪士の一党の切り崩しを狙いました。

隠居後は落髪して終閑と号し、余生を過ごしました。享保7年（1722年）に82歳で亡くなり、法名は映月院雲算終閑とされました。

赤穂事件における役割

進藤俊重は、赤穂事件において、浅野長広の護送、大石良雄の鎮撫、そして赤穂浪士の脱盟工作という、多岐にわたる役割を担いました。これらの活動は、広島藩の立場から、事件の収束と影響の最小化を図るものであったと考えられます。

関連項目

赤穂事件
赤穂浪士
* 忠臣蔵

もう一度検索