逸見晴恵

逸見晴恵：エッセイスト、そして家族を支えた女性

逸見晴恵（いつみ はるえ）は、1949年6月11日に東京都目黒区で生まれ、2010年10月21日に61歳で生涯を閉じた日本のエッセイストです。旧姓は小林。彼女は、フジテレビアナウンサーとして活躍した逸見政孝の妻としても知られています。オフィスいつみに所属し、フロンティア・ロードと業務提携していました。

生涯

逸見晴恵は、東京都立目黒高等学校、文化服装学院師範科を卒業後、1970年に逸見政孝と結婚しました。長男は俳優・タレントの逸見太郎、長女はタレント・レポーターの逸見愛です。結婚後、長らく専業主婦として家庭を支えていましたが、1988年10月、夫・政孝のフリー独立を機に、三木プロダクション系列の「オフィスいっつみい」（現・株式会社オフィスいつみ）を設立し、取締役社長に就任しました。

1993年12月25日、夫・政孝が癌性悪液質により死去。逸見晴恵は喪主を務めました。夫の死後、彼女は家族のために建てられた豪邸を守るため、医学エッセイを多数執筆し、テレビ出演や講演活動を積極的に行いました。夫の生命保険金と預貯金をかき集め、7億円を返済しましたが、それでも残った5億円ものローンをほとんど返済しました。

1994年6月、夫の死から約半年後に受けた人間ドックで、初期の子宮がんが発見されました（約3年後に公表）。子宮がんは初期段階で発見され、完治しましたが、その後、血液細胞のがんの一種である骨髄異形成症候群を発症。約10年間闘病生活を送りましたが、2010年10月21日、肺胞蛋白症のため埼玉県内の病院で死去しました。喪主は息子の太郎が務めました。

エピソード

新婚当時、ファッションに無頓着だった政孝のために、晴恵は給料が出るたびに新しい衣服を購入し、政孝が独身時代に着ていた服を捨てていました。その結果、生活費が不足し、実家からお金を借りることもありましたが、政孝はそれを知りませんでした。政孝がニュース番組を担当するようになってからも、晴恵は「主婦の目はニュースの内容より着ている物に行く」と考え、ボーナスが出る度に新しいスーツやネクタイなどをまとめて購入していました。当時の衣装代は年間50万円から多い年には100万円ほどになったそうです。
1985年8月12日、一家で大阪へ帰省する際、日本航空機に搭乗する予定でしたが、実母に帰省の件を話すと「もし事故でも起きたらどうするんだい」と言われ、その言葉に重みを感じて「4人なら新幹線の方が安い」と政孝に提案し、直前に東海道新幹線に変更したため、日本航空123便墜落事故から逃れることができました。
障害を持ったダルメシアンを飼っていましたが、晴恵の死から7日後にその愛犬も亡くなりました。
2010年10月25日の『5時に夢中!』では、息子の太郎が晴恵の死を報告しました。太郎は涙ながらに「『5時に夢中!』のMCが決まったとき、誰よりも喜んでくれた母でした。それが唯一の親孝行だったのかなと」と語りました。

著書

『二十三年目の別れ道』 (1994年)
『私ががんを恐れなくなった理由』 (2001年)
『黙っているのもうやめた』 (2003年)
『逸見晴恵が訊くがんを生き抜くための指南書』 (2010年)

逸見晴恵は、夫を亡くした後も、家族のためにエッセイ執筆や講演活動を通じて強く生き抜きました。彼女の生涯は、多くの人々に勇気と感動を与え続けています。

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