遊女 (アン・ルイスのアルバム)

アン・ルイス『遊女』：歌謡ロックの確立と新たな表現

アン・ルイスの13枚目のスタジオ・アルバム『遊女』は、1986年5月21日にビクター音楽産業からリリースされました。このアルバムは、彼女の音楽スタイルにおける重要な転換点となり、後の作品群に繋がる「女シリーズ」の幕開けを飾りました。

アルバム概要

『遊女』は、アン・ルイスの音楽性が歌謡ロックへとシフトしたことを明確に示す作品です。それまでのイメージを刷新し、よりロック色の強いサウンドと、女性の感情を深く掘り下げた歌詞が特徴となっています。レコーディングはロンドンで行われ、佐藤準（編曲、キーボード）と北島健二（ギター）も参加し、サウンド面でも新たな試みがなされました。

先行シングルとしてリリースされた「あゝ無情」は、アルバムバージョンとして収録されています。この曲は、アン・ルイスの代表曲の一つとして広く知られており、アルバムの方向性を示す重要な役割を果たしています。

レア盤から再評価へ

CD版は長らく廃盤状態が続いていましたが、2007年9月21日に紙ジャケット仕様で再発売され、再び注目を集めました。さらに、2013年9月25日にはタワーレコード限定で再発売、2022年3月2日にはMEG-CDでの販売も開始され、現在では比較的入手しやすくなっています。

収録曲

収録曲は以下の通りです。

LP、CD共通

※曲目は省略

制作背景

ロンドンでのレコーディングは、1989年12月発売のアルバム『I Love Youより愛してる』以来2度目であり、アン・ルイスにとって海外での制作は刺激的な経験となりました。佐藤準と北島健二の参加も、アルバムのサウンドに大きく貢献しています。

評価と影響

『遊女』は、アン・ルイスの音楽キャリアにおいて重要な作品であり、彼女の歌謡ロック路線を確立しただけでなく、女性の感情をリアルに表現した歌詞も評価されています。また、80年代の日本の音楽シーンにおいて、アン・ルイスの存在感を示す作品としても記憶されています。

参考情報

オリコン『ALBUM CHART-BOOK COMPLETE EDITION 1970-2005』オリコン・マーケティング・プロモーション、2006年4月。ISBN 978-4-87131-077-2。
アン・ルイス、80年代に発表したアルバム4タイトルが紙ジャケ復刻！ – CDジャーナル
日本の80年代にはアン・ルイスがいた！「六本木心中」からの「遊女」で最高潮！ – Re:minder
6月5日はアン・ルイスの誕生日～唯一無二の二面性 – 大人のMusicCalendar

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