遊歩人

株式会社遊歩人は、かつてLED照明、オーディオ機器、アロマ製品の製造・販売を行っていた企業です。1980年代後半には、同社の名を冠した低価格ヘッドフォンステレオ「遊歩人」が市場で大きな話題を呼びました。この製品の成功は、同社の知名度を飛躍的に高め、社名そのものの由来にもなっています。

沿革

遊歩人の歴史は、1983年12月に熊本県で設立された有限会社エスケイエンタープライズに遡ります。当時の資本金は100万円でした。1986年5月には株式会社エスケイエンタープライズへと組織変更し、本社を東京に移転しました。

1987年1月、遊歩人は、超低価格ステレオカセットプレーヤー「遊歩人KC-8」を発売しました。この製品は、その手頃な価格と性能から爆発的な人気を博し、発売から1年間で100万台を売り上げ、その年のヒット商品ベスト10（第4位）にランクインするほどの社会現象となりました。

1989年4月には、国内メーカーへのOEM供給を開始し、1991年10月には、通商産業省（現経済産業省）から輸入貢献企業として表彰を受けました。1992年3月には、社名を「株式会社遊歩人」に変更し、ブランドイメージを強化しました。

1995年8月には、遊歩人キーボード「あそぼーどEK-100」を発売し、これもまた初年度で30万台以上を出荷するヒット商品となりました。このシリーズは累計で約100万台を販売しました。1997年3月には新社屋が完成し、本社を東京から熊本に移転しました。

しかし、1999年12月、生産協力企業の廃業に伴い、ポータブルカセットプレーヤーの販売から撤退せざるを得なくなりました。その後も、アロマ製品の開発などを行い、2009年にはモバイルアロマディフューザー「caoru」がグッドデザイン賞を受賞するなど、新しい分野にも挑戦しました。

2015年3月、遊歩人は大幅な業態転換を発表し、新規注文・取引の当面停止を発表しました。一部製品は、株式会社ラドンナが引き継ぎ供給することとなりました。

そして、2023年6月12日付の官報にて、合同会社草野企画に合併し解散することを公告し、その歴史に幕を閉じました。

出典

株式会社遊歩人公式ウェブページ（2019年3月現在閲覧不可）

公式ウェブページのキャッシュ - インターネットアーカイブ（リンク先はキャッシュ）

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