運庵普巌

運庵普巌（うんあん ふがん）は、南宋時代に華中東部で活躍した臨済宗松源派の禅僧であり、松源崇嶽の弟子として知られています。松源下2世に当たります。

生涯

彼は浙東の明州（現在の浙江省寧波市）で生まれました。俗姓は杜氏、字は少瞻（しょうせん）と称しました。出家後、石鼓希夷（せっこ きい）と無用浄全（むよう じょうぜん）の元で修行を重ね、淳熙11年（1184年）に平江府（現在の江蘇省蘇州市）の澄照禅院（ちょうしょうぜんいん）で松源崇嶽（しょうげん すうがく）に参禅しました。

その後、松源崇嶽に従い、常州（現在の江蘇省常州市）の報恩光孝寺（ほうおんこうこうじ）、さらに無為県（現在の安徽省蕪湖市無為市）冶父山（やぶさん）の実際禅院（じっさいぜんいん）へと移り、18年間の修行を経てついに大悟し、松源崇嶽の法を継承しました。

嘉泰2年（1202年）には、兄が故郷の明州に建立した運庵（うんあん）に移りました。開禧2年（1206年）には、鎮江府（現在の江蘇省鎮江市）の大聖普照禅院（だいしょうふしょうぜんいん）の住持となりました。その後、真州（現在の江蘇省儀徴市）の光孝寺（こうこうじ）、さらに安吉州（現在の浙江省湖州市安吉県）の道場山護聖万寿禅寺（どうじょうざんごしょうまんじゅぜんじ）に歴住しました。

宝慶2年8月4日（1226年8月28日）に遷化しました。彼の語録は『運庵普巌禅師語録（うんあんふがんぜんじごろく）』として編纂され、後世に伝えられました。虚堂智愚（きどう ちぐ）及び石帆惟衍（せっぱん ゆいいん）が彼の法を嗣ぎました。

参考文献

* 禅学大辞典編纂所 編 『新版 禅学大辞典』p1062 1985年

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