宝慶

宝慶（ほうけい、拼音: bǎo qìng）は、中国・南宋の理宗の治世に使用された元号です。1225年から1227年までの3年間使用されました。

宝慶年間の出来事

宝慶年間には、以下のような出来事がありました。

1224年（嘉定17年）: 11月25日に理宗が即位し、翌年を「宝慶元年」とする踰年改元の詔が下されました。これにより、新たな時代が幕を開けることとなります。
1225年（宝慶元年）:
正月9日：趙竑（ちょうこう）が謀反に巻き込まれ、湖州（こしゅう）にて殺害されました。これは政情不安を示す出来事でした。
2月3日：岳飛（がくひ）に「忠武」の諡（おくりな）が贈られました。これは岳飛の忠義を称えるもので、民衆の心を慰め、士気を高める意味がありました。
7月26日：大宋元宝（だいそうげんぽう）が発行されました。これは貨幣経済の安定を図るための政策の一環でした。
11月6日：邵州（しょうしゅう）を宝慶府（ほうけいふ）と改められました。これは地名を改称することで、新たな統治体制を示すものでした。
11月27日：真徳秀（しんとくしゅう）・魏了翁（ぎりょうおう）が落職されました。これは政治的な粛清であり、権力闘争の一端を示すものでした。
1226年（宝慶2年）:
3月23日：功臣の神像を奉安した昭勲崇徳閣（しょうくんすうとくかく）が建てられました。これは功績のあった人物を称え、国家の安定を図るためのものでした。
11月：盱眙（くい）の群盗が兵乱を起こし、金（きん）に投降しました。これは社会不安の表れであり、南宋の国力の低下を示すものでした。
1227年（宝慶3年）:
正月19日：朱熹（しゅき）に太師（たいし）が追贈され、信国公（しんこくこう）にも封ぜられました。これは朱子学の地位を高めるためのもので、思想統制の一環でした。
2月8日：モンゴル軍が四川（しせん）に侵入して劫掠（ごうりゃく）しました。これはモンゴルの南下政策の一環であり、南宋にとって大きな脅威となりました。
5月：李全（りぜん）がモンゴルに投降しました。これは南宋の武将が敵に寝返るという事態であり、士気を大きく低下させました。
7月15日：西夏（せいか）がモンゴルにより滅ぼされました。これにより、南宋はモンゴルの直接的な脅威に晒されることとなりました。
11月6日：翌年より「紹定（しょうてい）」へ踰年改元の詔が下されました。これにより、宝慶の時代は終わりを告げました。

宝慶年間の国際情勢

宝慶年間は、モンゴル帝国の拡大が著しい時期でした。チンギス・カンの後を継いだオゴタイ・カンは、積極的な領土拡大政策を推進し、金や西夏を滅ぼしました。南宋もモンゴルの脅威に晒され、国境地帯ではしばしば戦闘が発生しました。

モンゴル帝国 - 太祖チンギス・カンの20年 - 22年に相当します。

関連項目

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