過密

過密（かみつ）

過密とは、特に大都市において人口や都市機能が高い密度で集まる現象を指します。これは「過疎」と対極に位置し、人口が少ない地域とは異なります。また、過密がさらに進行する状態を「過密化」と呼びます。

過密現象の特性

通常、過密は首都圏に顕著に現れます。中心に官庁やオフィスが集まり、その周囲に人々が暮らすことで、東京都区部やソウル特別市がその典型として挙げられます。さらに、政治と経済が分離されている国家でも、特定の地域で過密が見られることがあります。特に新興工業国では、都市への人口流入や貧困層のスラム形成が問題となっています。OECDの報告によれば、都市圏の人口が700万人を超えると、富裕性が逆に減少する傾向が強まります。

過密からくる主な問題

過密によって引き起こされる問題は多岐に渡ります。具体的には、

1. 一極集中: 経済や文化が特定の地域に集中し、小規模都市や村落が衰退します。
2. 自然災害の影響: 災害時に都市機能が麻痺し、帰宅困難者が増加します。
3. 犯罪の増加: 人口が多いことでトラブルが起こりやすくなり、犯罪も増えます。
4. 住宅不足: 住宅が不足すると、ホームレスなど新たな社会問題が発生します。
5. 失業問題: 人口に見合った産業がない場合、失業率が上昇します。
6. 交通問題: 道路の混雑や鉄道の過密化が進行し、移動時間の増加を招きます。
7. 環境問題: 大気や水質の汚染が深刻化します。
8. 大衆意識の強化: 市民意識がより強まることがあります。

過密の解消方法

過密を解消するためには、地域の面積を拡大するか、人口の分散が必要です。例えば、以下の方法が挙げられます。

• - 高層化: 建物を高くすることで住居やオフィスの面積を増やし、過密を緩和します。
• - 徴税: 過密地域への進入に税金を課すことで人の流入を制限します。
• - 拡散: 新たな住宅地を開発し、人口を広げることを目指しますが、周辺地域の状況によっては効果が薄い場合もあります。
• - 交通網の整備: 地方に交通インフラを整えることで、都市部からの人口流出を促進しようとする政策です。

日本における過密状況

日本は限られた国土に多くの人口を抱えています。そのため、特に東京都区部（約620km²、人口約960万人）は世界有数の過密地域です。昼間人口は約1900万人に達します。これに対し、人口の集中する都市の周辺では、インフラの整備が追いつかず交通渋滞や水質汚染の問題が生じています。

このような問題は、主に本州の太平洋沿岸に集中しています。港や工業地帯が経済活動の中心となり、それに伴って人口が増加する一方、その影響で周辺地域に住宅の不足が生じたり、犯罪が増加する事例も見られます。

海外の過密状況

アメリカ合衆国やヨーロッパ各国でも類似の過密化が観察されます。アメリカではニューヨークやロサンゼルスが過密化しており、特に交通渋滞が大きな問題です。イギリスも人口増加に伴って住宅不足が深刻化しており、ホームレス人口が増加しています。

また、全体的に見て過密問題は開発途上国でも深刻です。特に新興工業国では、産業発展に伴い人口が都市に集まり、スラム街を形成することもあります。このように、過密は世界各地で共通した課題となっています。

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