道の駅なかさつない

北海道河西郡中札内村に位置する「道の駅なかさつない」は、美しい自然環境の中に広がる多機能な地域交流施設です。単なる休憩スポットにとどまらず、中札内村の魅力発信や地域活性化の拠点としての役割を担っています。

整備の歴史と背景

中札内村では、豊かな自然を活かしながら、農村と都市部の住民が交流し、憩える場を創出することを目指し、1992年から1994年にかけて「アグリパーク」の整備を進めました。この計画の核となる施設として、情報提供や商業機能を備えた「カントリープラザ」や、地域の開拓の歴史を学ぶことができる「開拓記念館」などが整備されました。これらの施設群を基盤として、1996年に「道の駅」として正式に登録されました。

豆資料館「ビーンズ邸」

アグリパーク内に点在する施設の一つに「ビーンズ邸」があります。この建物は、歴史的な背景を持つ貴重な存在です。元々は1952年に、現在の帯広市幸福地区に建設された旧農林省の馬鈴薯原原種農場の事務所として使用されていました。この建物を中札内村に移築し、改修を経て「豆資料館」として生まれ変わりました。館内では、中札内村の主要農産物である豆に関する様々な資料が展示されており、村の農業の歴史や豆の種類、栽培方法などについて学ぶことができます。「ビーンズ邸」は、2005年の道の駅全体のリニューアルオープンに合わせて開館しました。

リニューアルと施設の充実

2005年には道の駅全体のリニューアルが行われ、各施設がより充実した形で利用者に提供されるようになりました。このリニューアルによって、利便性やサービス機能が向上し、多くの来訪者を受け入れる体制が整いました。

主要施設

道の駅なかさつないの敷地内には、利用者の様々なニーズに応える多様な施設が設けられています。

カントリープラザ: 道の駅の中心的な建物で、地元食材を活かした料理を提供するレストラン、中札内村の特産品や土産品を取り扱う売店、料理教室などに利用できる調理実習室、各種イベントに対応可能な多目的ホールなどが備わっています。
花水山（はなみずき）: こちらのエリアには、地元で採れた新鮮な農産物や、それらを加工した特産品を販売する物産販売所があります。また、気軽に立ち寄れる軽食・テイクアウトコーナーも併設されており、ドライブの途中に立ち寄って地元の味を楽しむのに最適です。
開拓記念館: 中札内村の開拓の歴史や、地域の文化に関する資料が展示されています。村の成り立ちや先人たちの苦労を知ることで、地域への理解を深めることができます。
そば処: 地元産のそば粉を使った本格的なそばを味わえる食事処です。
ビーンズ邸（豆資料館）: 前述の通り、移築された歴史的建造物を利用した豆に関する資料館です。

付帯設備

利用者の利便性を高めるため、以下の設備が整えられています。

駐車場: 普通車43台、大型車5台、身障者用5台分のスペースが確保されています。
トイレ: 男子用（大4器うち2器、小8器うち5器）、女子用（7器うち4器）、身障者用（2器うち1器）が利用可能です。括弧内の数は24時間利用可能な設備の数を示しています。身障者用トイレにはオストメイト対応設備も1器備わっています。
公衆電話: 2台設置されています。

アクセス

道の駅なかさつないは、主要なアクセスルートである国道236号線沿いに位置しており、車でのアクセスが容易です。周辺には、地元産のミルクを使った絶品チーズで知られる「十勝野フロマージュ」や、美しい庭園が広がる「六花の森」といった人気の観光スポットがあり、これらの施設と合わせて巡る観光ルートも人気です。

公共交通機関を利用する場合は、十勝バスの路線が便利です。「道の駅なかさつない」バス停で下車することで、直接施設にアクセスできます。

地域の玄関口として

道の駅なかさつないは、地域の特産品販売や情報発信を通じて、中札内村の魅力を広く伝える役割を担っています。美しい景観の中で、食事や買い物を楽しむだけでなく、村の歴史や農業についても学べる多様な機能を持つこの施設は、地元住民だけでなく、多くの観光客にとっても重要な立ち寄りスポットとなっています。

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