道上尚史

道上尚史（みちがみ ひさし）は、1958年生まれの日本の外交官です。大阪府出身で、東京大学法学部を卒業後、1983年に外務省に入省しました。外交官としてのキャリアの中で、韓国語研修でソウル大学校大学院外交学科、ハーバード大学大学院に留学し、特に韓国問題に精通する「コリア・スクール」に属しています。

初期のキャリアでは、在大韓民国日本国大使館参事官（1998年）を務め、その後、外務省経済局経済第二課長（2003年）として経済外交にも携わりました。2007年には、在中華人民共和国日本国大使館公使兼広報文化センター長として中国との関係強化に努めました。2011年には再び韓国に赴任し、在大韓民国日本国大使館公使兼公報文化院長として文化交流を推進。2014年には在大韓民国日本国大使館公使（総括担当）として、日韓関係の様々な課題に取り組みました。

その後、ドバイ総領事（2014年）を経て、2017年には釜山総領事に就任。釜山では、慰安婦像問題など、日韓間の難しい問題に対処しました。2019年には、三国協力事務局事務局長として、日本、中国、韓国間の協力関係の促進に尽力。2021年には、駐ミクロネシア連邦特命全権大使として、太平洋島嶼国との外交関係を深めました。2023年現在は、駐ブルガリア特命全権大使として、ヨーロッパ地域における日本の外交を担っています。

道上氏は、外交官としての経験を基に、多くの著書を出版しています。主な著書には、『日本外交官、韓国奮闘記』（2001年）、『外交官が見た「中国人の対日観」』（2010年）、『日本エリートはズレている』（2017年）、『韓国の変化日本の選択―外交官が見た日韓のズレ』（2022年）などがあります。これらの著書では、日韓関係や中国に対する見方、日本の外交に対する提言など、多岐にわたるテーマを扱っています。特に、日韓関係については、長年の経験に基づいた深い考察が展開されています。

同期入省の外交官には、相川一俊（23年EU大使・20年イラン大使）、相星孝一（21年韓国大使・18年イスラエル大使・14年ASEAN大使）、尾池厚之（23年ジュネーブ代表部大使・20年ユネスコ大使）、小笠原一郎（19年軍縮会議大使・16年マダガスカル大使）などがいます。彼らもまた、国際舞台で活躍する重要な外交官であり、道上氏と共に、日本の外交を支えています。

道上尚史氏は、その豊富な経験と深い見識で、日本の外交に貢献し続けている人物と言えるでしょう。

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