道合遺跡 (久喜市)

道合遺跡（どうあいいせき）

道合遺跡は、埼玉県久喜市本町5丁目に位置する遺跡です。この遺跡は、縄文時代を主体とする複合遺跡であり、縄文時代の生活を知る上で貴重な資料を提供しています。また、歴史時代の遺物も出土しており、この地域の歴史的変遷を理解する上でも重要な役割を果たしています。

概要

道合遺跡は、縄文時代の遺構・遺物が豊富に発見されていることで知られています。遺跡の名称は、所在地の旧地名である「道合（どうあい）」に由来します。発掘調査では、石器、土器、土板、垂飾、みみずく土偶、土製耳飾、土製円盤、石鏃、勾玉、小玉、打製石斧、磨製石斧、岩版、石棒、石剣、凹石、磨石、石皿、砥石など、多岐にわたる縄文時代の遺物が出土しています。これらの遺物は、当時の人々の生活や文化、技術水準を考察するための重要な手がかりとなります。

また、道合遺跡からは、歴史時代の井戸や溝、灯明皿、陶磁器、焙烙、摺鉢、砥石、板石塔婆なども発見されています。これらの出土品は、時代を超えてこの地域に人々の営みがあったことを示唆しています。

遺跡は、久喜市街地の台地と鷲宮区域から続く低地が入り組んだ地形の奥部に位置し、北側には県道六万部久喜停車場線旧道、南側には本一用水が流れています。遺跡の範囲は、本町5丁目653他、本町5丁目662他、本町6丁目654他に及びます。

発掘調査

道合遺跡では、過去に2度の主要な発掘調査が実施されています。

第1次発掘調査: 1986年（昭和61年）7月28日から9月6日にかけて、市道新設工事に伴い行われました。
第2次発掘調査: 1993年（平成5年）1月18日から4月12日にかけて、スーパーマーケット建設のために実施されました。

これらの発掘調査によって、道合遺跡の全体像が徐々に明らかになってきました。

なお、現在の久喜市中央保健センターの敷地も道合遺跡の範囲に含まれますが、昭和30年代に土取り工事が行われたため、遺跡は破壊されています。

周辺の遺跡

道合遺跡の周辺には、道合南遺跡、道合東遺跡、道合中遺跡、荒木山遺跡など、複数の遺跡が分布しています。これらの遺跡群は、かつて大字久喜本字道合と呼ばれた地域に集中しており、この地域が古代から人々の生活の場として重要な役割を果たしてきたことを示唆しています。

参考資料

『久喜市埋蔵文化財調査報告書　道合遺跡』　久喜市教育委員会 発行　平成元年3月30日 発行
『久喜市遺跡調査会報告書　道合遺跡　（第2次）』　埼玉県久喜市遺跡調査会 発行　平成19年3月30日 発行
『久喜市史調査報告書　第7集　久喜市の遺跡』　久喜市史編さん室 編集　久喜市 発行　昭和62年2月20日 発行
『久喜市史　通史編　上巻』　久喜市史編さん室 編集　埼玉県久喜市 発行　平成4年1月20日 発行

関連項目

道合南遺跡
道合東遺跡
道合中遺跡
荒木山遺跡

外部リンク

久喜市ホームページ - 埋蔵文化財包蔵地一覧
旧久喜市ホームページ - 久喜市のあゆみと概要
久喜市観光ウォーキングマップ (PDF)
久喜市商工会ホームページ - いにしえコース
* 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービス

道合遺跡は、久喜市の歴史と文化を深く知るための貴重な場所であり、今後の調査研究によって、さらに新たな発見が期待されます。

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