道相応

道相応（Magga-saṃyutta）の概要

道相応（どうそうおう）は、パーリ語の仏教経典に位置づけられる重要な経典であり、特に解脱への道を示す教えとして広く認識されています。この経典は、バラエティに富む内容を持ち、全体で45の経から構成され、さまざまな観点から解脱へのアプローチを探求しています。

構成の詳細

道相応は、以下の八つのセクションに分かれています。

1. Avijjā-vaggo (無明品): 無明をテーマにした経典で構成され、全10経を含みます。ここでは、無知の克服が解脱への重要な要素として強調されます。

2. Vihāra-vaggo: 瞑想や安らぎを求める実践に関する教えが含まれ、全10経から成っています。精神の安定を図るための方法が示されています。

3. Micchatta-vaggo: 誤った考え方や不正な行動に関する教えをまとめたもので、全10経が収められています。正しい理解を促すことが重要視されています。

4. Paṭipatti-vaggo: 実践（パティパッティ）をテーマにしたセクションで、全10経が収録されています。道を実践することで得られる成果について説明されています。

5. Aññatitthiya-peyyāla-vaggo: 他者や異なる見解に関する教えを扱っており、全8経が存在します。ここでは、他者との関係性を理解し、調和を求める重要性が強調されています。

6. Sūriya-peyyāla-vaggo: 太陽（スーリヤ）に関する教えを含むセクションであり、全7経が収められています。自然との調和の概念が取り上げられています。

7. Eka-dhamma-peyyāla-vaggo: 一つの教えに焦点を当てた経典がまとめられており、全7経の内容が展開されます。特定のテーマに基づく深い考察が行われています。

8. Dutiya-eka-dhamma-peyyāla-vaggo: 上記の経典の二度目のまとめとして扱われており、再確認やさらなる理解を促すための全7経が収録されています。

さらに、以下の他のセクションもこの経典には含まれています。

• - Gaṅgā-peyyāla-vaggo: 全6経
• - Dutiyagaṅgā-peyyāla-vaggo: 全6経
• - Appamāda-peyyāla-vaggo: 注意深さや無駄の意識をテーマにしており、全10経があります。
• - Balakaraṇīya-vaggo: 意志や能力に関して語られ、全12経の構成。
• - Esanā-vaggo: 様々な欲求に関する教えが全11経に分かれています。
• - Ogha-vaggo: 様々な障害や煩悩についての教えを全10経にわたり説明しています。

出典

この道相応の内容は、以下の資料で詳述されています。

• - 『南伝大蔵経・経蔵・相応部経典5』（第16巻上） 大蔵出版
• - 『原始仏典II 相応部経典5』 中村元監修 春秋社

参考リンク

• - Tipitaka.org - 道相応の詳細が確認できる外部リンクです。

道相応は、深い哲学を持つ経典であり、それぞれの経が解脱へ至るための道を明らかにし、実際の仏教修行における実践的な指導を提供しています。そのため、仏教徒にとって貴重な教えとなることでしょう。

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