遠山満

遠山満の生涯と俳優業

遠山満（とおやま みつる）は、日本の映画史に名を刻む剣戟俳優であり、1893年に誕生し、1952年頃に亡くなりました。彼は結婚後、小原緑（おはら みどり）という名前で知られるようになります。洋行帰りの舞台俳優として活動を始め、1925年から1951年までの期間、サイレント映画からトーキーに至る幅広いジャンルで活躍しました。

来歴

遠山の出身地は不明ですが、初期に彼は島田緑という本名を名乗っていました。彼の俳優としてのキャリアは、1921年に松竹蒲田の『呪いの金鉱』で映画デビューを果たしたことから始まります。1920年代初頭には、彼は剣戟一座を率いてアメリカ西海岸を巡業し、そこで著名なコメディアン、チャーリー・チャップリンの目に留まる逸話も存在します。チャップリンは遠山の一座が上演した『森の石松』を見て興味を抱き、セシル・B・デミルと共に彼らに公演を依頼したと言われています。

帰国後、遠山は1925年から1926年にかけて、浅草公園六区で活動を展開します。同時期には、俳優の小原小春との結婚を果たし、小原家の婿養子として新たな生活をスタートさせました。無声映画の時代には、彼は妻と共に主演を飾った『新四谷怪談』や『鴛鴦呪文』に出演しました。

契約と新たな作品

1937年、遠山は松竹下加茂撮影所に入社し、多数の作品に脇役として出演しました。特に『お静礼三』や『春風伊勢物語』などが挙げられます。翌年には日活京都撮影所に移籍し、名作『鞍馬天狗』シリーズに出演しました。1940年以降の作品では、戦争の影響を受けたものが多く、1942年以降も大映京都撮影所に留まり『独眼龍政宗』などに出演しました。

戦後のキャリア

戦後の1950年、遠山は東横映画制作の『俺は用心棒』、大映東京制作の『遙かなり母の国』といった作品に立て続けに出演しましたが、同年の『無頼漢』は撮影所の火事で公開できない悲劇がありました。1951年には再度映画界に復帰し、様々な作品に出演するものの、それが最後の舞台となります。彼が映画界から姿を消した理由は不明ですが、1952年ごろには貧困に苦しみながら亡くなったとのことです。

家族

遠山の妻・小原小春も女優として知られ、妹の原光代も同様の道を歩んでいました。光代は帝劇附属技芸学校を卒業後、専属女優として活動し、数本の映画に出演しました。

主な出演作品

• - 『新四谷怪談』(1925) 監督：枝正義郎
• - 『鴛鴦呪文』(1930) 監督：高橋寿康
• - 『お静礼三』(1938) 監督：大曾根辰夫
• - 『鞍馬天狗 江戸日記』(1939) 監督：松田定次
• - 『独眼龍政宗』(1942) 監督：稲垣浩

結び

遠山満は、日本の映画界において重要な役割を果たした俳優ですが、彼の生涯は波乱に満ちたものでした。一時代を代表する剣戟俳優として、多くの作品を通じて観客を魅了し続けました。

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