遠山茂樹 (デザイナー)

遠山 茂樹（とおやま しげき）は、1959年（昭和34年）3月23日生まれの日本のゲームクリエイター、デザイナー、そして発明家です。株式会社ナムコ（現：バンダイナムコスタジオ）において、『ゼビウス』のメカデザインや『プロップサイクル』の企画など、数々の著名なゲーム開発に携わりました。また、独自に開発した「遠山式立体表示法」は、ゲームのみならず幅広い分野で実用化されています。

経歴と活動概要

1981年に多摩芸術学園を卒業後、ナムコに入社。同期には遠藤雅伸氏がいました。ナムコでは、アーケードゲームを中心にデザイナーおよび企画者として活動しました。特に、『ゼビウス』では特徴的なメカニックデザインを手掛けたほか、『サンダーセプター』、『スターラスター』などのキャラクターデザイン、『ファイナルラップ・ウイニングラン』や『ギャラクシアン3』のロゴ・筐体デザインを担当しました。企画面では、『ガンバレット』、『プロップサイクル』、『パニックパーク』といったヒット作を手がけました。

ゲーム開発に加え、ロボット開発にも関与。ナムコ独自のマイクロマウス「マッピー」や給仕ロボット「キュージくん」の開発に関わり、ソニー出向時には犬型ロボット「AIBO」の開発にも携わりました。

「遠山式立体表示法」の発明と応用展開

2002年、遠山氏は独自技術である「遠山式立体表示法」を発明。平面上に立体的な奥行きを表現するこの技術は、アナグリフ方式や裸眼立体視方式などに応用され、同年のナムコ社長賞で最優秀発明賞を受賞しました。

この技術は特許（特許第3579683号）を取得し、様々な分野で実用化されました。

建築系CADへの導入（福井コンピュータ「AT21遠山式3D ピクチャー」）
立体印刷物の制作（奥村印刷連携）
教育プロジェクト（小学校連携）
関連サイト「遠山式立体表示研究所」開設
商品化事例（「3Dお風呂ポスター」など）

バンダイナムコグループでの所属

バンダイナムコグループ再編後も開発者として活動を継続。バンダイナムコゲームス新規事業課では、電通と連携したゲームメソッドコンサルティングチーム「SPECIAL FLAG」に関与。

2015年からはバンダイナムコスタジオに所属し、AM第3開発本部 エグゼクティブプランナーとしてアミューズメント機器の企画開発を担当。2016年からは技術統括本部 技術本部 イノベーション課にて「遠山式立体表示法担当」も兼務し、自身の発明技術の推進に携わっています。

受賞歴

1996年: マルチメディアグランプリ エンタテイメント賞
1996年: NOVASTAR1996 BEST INNOVATION AWARD
2002年: ナムコ社長賞 最優秀発明賞

主な作品

ゲーム

ゼビウス（キャラクターデザイン）
サンダーセプター（キャラクターデザイン）
スターラスター（キャラクターデザイン）
ファイナルラップ・ウイニングラン（ロゴ・筐体デザイン）
ギャラクシアン3（コンセプト・キャラクター・ロゴデザイン）
スティールガンナー（筐体デザイン）
ガンバレット（企画）
プロップサイクル（企画）
パニックパーク（企画）

ロボット

マッピー（ナムコ）
キュージくん（ナムコ）
AIBO（ソニー出向時）

書籍

『絶叫3DポスターブックR.C.T』
『Touch it! ―遠山式超立体写真集』
『friends もののけ島のナキ ―とびだす立体映画絵本』
『遠山茂樹作品集・インタビュー』
* 『遠山茂樹作品集・アートワークス編』

まとめ

遠山茂樹氏は、ゲームデザイナーとして多くの作品を手がけ、ゲームの楽しさを追求する一方で、独自の立体表示技術を発明し、その応用分野を広げました。ゲームと技術開発の両面から、長年にわたりエンタテインメント業界に貢献し続けている重要な人物です。

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