遠藤胤忠

遠藤 胤忠（えんどう たねただ）

遠藤胤忠は、近江三上藩の第3代藩主として知られる人物であり、遠藤家の8代目です。享保17年（1732年）12月29日、江戸の神田橋邸にて、初代藩主の遠藤胤親の三男として誕生しました。

生い立ちと家督相続

彼は宝暦10年（1760年）6月26日、兄の胤将の養子となり、同年に将軍である徳川家治に謁見します。その後、明和8年（1771年）に胤将が亡くなった際に家督を継ぎ、同年の12月18日には従五位下と下野守の位を受け与えられ、任官しました。この時期から、彼は藩の運営に積極的に関与するようになりました。

公職と文化活動

安永2年（1773年）には日光祭祀奉行に任じられ、安永8年（1779年）には大坂加番、さらに4月15日には大番頭にも任命され、寛政元年（1789年）の閏6月18日までこの職務を全うしました。また、彼は東常縁の子孫であることを誇りに思い、自身の文化的教養を高めるため、歌道を烏丸光栄に学び、古今伝授を授かりました。このようにして、彼は文化と伝統の担い手としての役割も果たしました。

隠居と晩年

寛政2年（1790年）2月20日、胤忠は養子の胤富に家督を譲り、隠居の身となります。その後も彼がどのように新しい世代を見守っていたのかは不明ですが、彼の人生は家族や文化に多大な影響を及ぼしました。寛政3年（1791年）10月12日、胤忠は60歳でこの世を去ります。彼の死は一族にとって大きな出来事であり、藩主としての彼の存在感は永く記憶されることとなりました。

系譜

遠藤胤忠の家庭は非常に複雑で、家族構成には多くの要素が絡んでいます。彼の実父は遠藤胤親、実母は側室の田所氏であり、養父は遠藤胤将です。彼の妻には、複数の側室が存在し、小林氏、西村氏、内藤氏、青木氏といった女性たちと関係を持っていました。

子供たちにも恵まれ、次男の遠藤胤寿や、松平乗森の妻となった子、さらには光顔院と慈敬院といった娘がいます。また、胤忠は養子を迎え入れることにも積極的で、遠藤胤相（酒井忠与の次男）や遠藤胤富（松平信復の七男）を育てました。

このように、遠藤胤忠は藩主としてだけでなく、文化人としても多岐にわたる足跡を残した人物であり、その影響は今もなお語り継がれています。

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