遠藤胤直

遠藤胤直は、安土桃山時代から江戸時代初期に活躍した武将です。木越遠藤氏の遠藤胤基の子として生まれ、母は遠藤盛数の娘で、遠藤慶隆の姉妹にあたります。通称は小八郎といい、妻は慶隆の娘山本です。

父の胤基は、文禄2年（1593年）に文禄の役からの帰還途中に病死し、胤直は家督を継ぎ、美濃国犬地城5500石の領主となりました。文禄3年（1594年）には、伏見城の普請に際し、叔父にあたる慶隆と共に東美濃の木材を伐採して提供しました。また、自らも普請に積極的に参加したため、伏見城の北側、現在の京都市伏見区深草大亀谷に屋敷を拝領しました。慶長2年（1597年）には、白山妙理大権現（現在の神田神社）に寄進を行っています。

慶長5年（1600年）の関ヶ原の戦いにおいて、当初は慶隆と共に徳川家康の重臣榊原康政に忠誠を誓い東軍に与しましたが、胤直は前触れもなく西軍に寝返り、上ヶ根城に籠城しました。岐阜城主の織田秀信からは激励状と鉄砲30挺、弾薬が送られました。しかし、前哨戦の八幡城の合戦で敗北し、形勢不利となったため、9月5日には上ヶ根城を慶隆に攻められ降伏しました。

戦後、同じく慶隆の娘婿であった金森可重が胤直の赦免を徳川家康に嘆願しましたが、家康は義父の慶隆に背いたことを理由に赦さず、胤直は改易となりました。改易後、妻とは離縁し、浪人として京に移り住み、玄斉（玄西）と号したとされています。慶長9年（1604年）に没したという説もありますが、その後の消息については諸説あります。

参考文献
郡上八幡遠藤家

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