榊原康政

榊原 康政

榊原 康政（さかきばら やすまさ）は、室町時代後期から江戸時代初期にかけて活躍した武将であり、上野国館林藩の初代藩主として知られています。彼は徳川家康の家臣であり、徳川の四天王の一人として名を馳せました。その生涯は多彩で、家康の政策に大きく貢献したことが評価されています。

生涯

若き日々と家督相続

康政は1548年に三河国上野郷で榊原長政の次男として誕生しました。若い頃から学びに励み、13歳のときに松平元康（後の徳川家康）に仕官し、小姓となります。彼の初陣は三河一向一揆鎮圧戦であり、ここでの武功により家康から「康」の字を賜ったとされています。

兄の榊原清政の謀反の疑いから家督を継ぐことになりますが、これは康政が優れた能力を持っていたためとも言われています。いったん清政が隠居を選び、康政が榊原家の家督を相続する形になりました。これ以降、康政は家康の側近として重用され、さまざまな戦役で活躍します。

武将としての活躍

康政は元亀元年（1570年）の姉川の戦いで、朝倉軍に対し側面攻撃を敢行。その後も多くの戦いで功績を挙げ、特に三方ヶ原の戦いでは、撤退する家康を守るために奮闘したことで知られています。また、長篠の戦いでも家康を守った武将の一人として名が残っています。

本能寺の変後

天正12年（1584年）の小牧・長久手の戦いでは、羽柴秀吉の軍勢に対抗して多大な武功を上げた康政ですが、この際に秀吉に敵視され、彼の命を狙う檄文を送ったとも言われています。その後、家康と和解し、天正14年（1586年）には従五位下に叙任され、豊臣姓を賜りました。

江戸時代への移行

天正18年（1590年）の小田原征伐では、城の受け取り役などを務め、家康の移封に伴い関東総奉行として江戸城の修築に尽力しました。また、館林城に入り、家臣の中でも高い地位を得て10万石を与えられ、その地域の発展に貢献しました。

徳川の老中として

康政は関ヶ原の戦い後、老中となりますが、領地の加増がなく、冷淡な扱いを受けたとも言われています。関ヶ原の戦いにおいて、家康の指揮する徳川軍に従軍し、戦後も家康の側近として重要な役割を果たしました。彼の功績にもかかわらず、加増はなかったものの、家康からの信頼は厚かったようです。

終焉とその後

慶長11年（1606年）に病にかかり、59歳で亡くなります。彼の死後は、家督が三男の康勝に相続されることとなりますが、康政家は家康の功績によって存続が許される事態となったものの、一時的に断絶の危機を迎えることもありました。

まとめ

榊原康政は、その才覚と勇猛さで徳川家の発展に寄与した武将でした。彼の武勇だけでなく、政治的な手腕も評価され、現在でも多くの人々にその名が語り継がれています。榊原康政が築いた道は、後の大名家に大きな影響を及ぼし、今日の日本の歴史の中でも特筆すべき人物であることは間違いありません。

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