遠藤胤親

遠藤 胤親の生涯と業績

遠藤 胤親（えんどう たねちか）は、近江三上藩の初代藩主であり、その歴史には数多くの重要な出来事が含まれています。胤親は徳川綱吉の側室であるお伝の方の甥であり、彼の幼名は数馬というものでした。

出自と背景

胤親は天和3年（1683年）5月14日に、旗本である白須才兵衛政休の長男として生まれました。彼の母は5代将軍・徳川綱吉の側室であるお伝の方の妹で、お松という名前でした。才兵衛政休はもともと大名増山家の家老だったため、胤親は武士の家に生まれ育ちました。特に、彼の出自については『柳営婦女伝系』に記載されており、その家系は非常に複雑であることが分かります。

胤親の家系は、歴史的な背景を持ち、特にお松が徳川の血筋に結びついていることが重要なポイントです。彼の家族との関係性は、後に藩政に大きな影響を与える要因となりました。

三上藩の設立と初代藩主としての役割

元禄5年（1692年）に、前藩主である遠藤常久が無嗣で急逝し、遠藤家は改易されます。しかし、幕府はその功績に鑑みて胤親を新たに藩主とすることを決定し、近江に新たな藩としての基盤を整えることとしました。元禄11年（1698年）には、胤親が近江4郡に所領を移動させ、三上藩を新設するための陣屋を建設しました。この年に、彼は正式に初代藩主としての地位を得たのです。

胤親はその後、宝永6年（1709年）に従五位下・下野守に叙位され、各種公務を遂行しました。特に宝永7年（1710年）には朝鮮通信使の接遇を担当し、多忙を極める日々が続きました。さらに江戸城においても重要な役職を歴任し、その政治的影響力を高めていきました。

隠居後の生活

享保18年（1733年）には、胤親は長男の胤将に家督を譲り、隠居生活に入ります。隠居後も胤親は長男の成長を見守りつつ、その家運を支える役目を果たしたと言われています。享保20年（1735年）に彼は53歳で死去しました。

胤親の生涯を振り返ると、その出自、藩の設立、そして武士としての活動は、近江地方の歴史においても重要な位置を占めていることが分かります。彼の血筋や家系もまた、この地方の歴史を理解する上で欠かせない要素と言えるでしょう。さらに、彼の家族についても調査が進んでおり、特に商業や政治における背景が藩運営にどのように影響したかは、今後も研究が必要なテーマです。

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