遠藤茂 (外交官)

遠藤茂（えんどう しげる）

1948年10月16日生まれの日本の外交官。2009年から2012年までサウジアラビア駐箚特命全権大使を務めました。退官後も、外務省参与として、イラク問題担当大使やGCC（湾岸協力会議）及び湾岸地域担当大使を歴任するなど、長年にわたり中東地域における外交に貢献しています。

人物

福島県出身。アメリカ合衆国ノースダコタ州への留学（AFSプログラム）を経て、早稲田大学高等学院に進学。1972年に早稲田大学理工学部応用物理学科を卒業後、1974年に同大学大学院経済学研究科を修了しました。同年、外務省に入省。1975年からは3年間、アラビア語研修生としてレバノン、カイロ大学、オックスフォード大学などでアラビア語を学びました。このアラビア語研修の経験が、後の外交官としてのキャリアを大きく形成することになりました。

1985年には国連代表部に勤務。その後、1992年に国際エネルギー課長、1994年には中東一課長を歴任し、中東地域における外交政策に携わりました。1998年には在サウジアラビア日本国大使館公使に着任し、2000年には中東アフリカ局参事官を経て、中東アフリカ局審議官に就任。2002年には領事移住部審議官を務めました。2003年8月からはジュネーブ国際機関代表部大使兼ジュネーブ総領事を務め、国際的な外交舞台でも活躍しました。

2007年にチュニジア大使に任命され、2009年8月からサウジアラビア大使として、両国間の関係強化に尽力しました。2012年10月30日に退任しましたが、その後も外務省参与として外交活動を続けました。

2014年にはイラク問題担当大使、2015年にはGCC及び湾岸地域担当大使に任命され、中東地域の安定に貢献しました。2023年には、長年の外交官としての功績が認められ、瑞宝中綬章を受章しています。

経歴

1972年：早稲田大学理工学部応用物理学科卒業
1974年：早稲田大学大学院経済学研究科修了、外務省入省
1985年：国際連合日本政府代表部勤務
1986年：在イラク日本国大使館
1989年：経済協力開発機構出向
1992年：外務省経済局国際エネルギー課長
1994年：外務省中近東アフリカ局中近東第一課長
1995年：在フィリピン日本国大使館参事官
1997年：マニラ総領事 兼任
1998年：在サウジアラビア日本国大使館公使
2000年：外務省大臣官房外務参事官兼中近東アフリカ局
2001年：外務省大臣官房審議官兼中東アフリカ局
2002年：外務省大臣官房審議官兼大臣官房領事移住部
2003年：在ジュネーブ国際機関日本政府代表部大使兼ジュネーブ総領事
2007年：駐チュニジア特命全権大使
2009年：駐サウジアラビア特命全権大使
2012年：10月30日 退任
2013年：6月26日 飯野海運株式会社社外取締役
2013年：6月27日 日揮株式会社社外取締役
2014年：外務省参与、イラク問題担当大使
2015年：外務省参与、GCC及び湾岸地域担当大使
2023年：瑞宝中綬章受章

同期（一部）

遠藤氏と同期には、以下のような著名な外交官がいます。

佐々江賢一郎（元駐米大使、元外務事務次官）
林景一（元駐英大使、元内閣官房副長官補）
小田部陽一（元ジュネーブ国際機関政府代表部大使）
吉川元偉（元国連[[大使]]、元OECD大使）
高松明（元駐スロバキア大使）
石田仁宏（元駐アルゼンチン大使）
四宮信隆（元駐ポルトガル大使）
原田親仁（元日露関係担当大使、元駐露大使）
目賀田周一郎（元駐メキシコ大使）
卜部敏直（元駐フィリピン大使）
多賀敏行（元駐ラトビア大使）
斉藤隆志（元駐ミャンマー大使）
城田安紀夫（元駐ノルウェー大使）
山本忠通（元駐ハンガリー大使）
山中誠（元駐ポーランド大使）
佐藤重和（元駐タイ王国大使）
中根猛（元駐独大使）
黒木雅文（元駐セルビア大使）
西ヶ廣渉（元宮内庁宮務主管、元駐ルクセンブルク大使）
吉澤裕（元駐南アフリカ共和国大使）
貞岡義幸（元駐パラオ大使）
寒川富士夫（元駐マラウイ大使）
沼田幹男（元駐ミャンマー大使）
白石和子（元駐リトアニア大使）
高橋二雄（元駐アゼルバイジャン大使）
小池孝行（元駐キルギス大使）
中北徹（元アジア・ゲートウェイ戦略会議座長代理）

著作・論文

『日本とサウジアラビアの間に虹の橋をかけよう』（『サウジアラビアと日本 －その素顔と絆－』サウジアラビア王国大使館文化部編 , 2010，BB21007410に収録）

脚注

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