選好投票

選好投票（Preferential voting）は、投票者が候補者やグループに対して優先順位をつけて投票する方式の総称です。優先順位投票やランキング投票とも呼ばれます。投票者は通常、最も好ましい候補に「1」を、次に好ましい候補に「2」というように順位をつけます。これは、単に候補に印をつけるだけの方式とは異なります。

選好投票は、小選挙区制における即時決選投票（Instant-runoff voting）、コンドルセ方式、ボルダ・カウント、バックリン投票など、また大選挙区制における単記移譲式投票（STV）などで利用されます。

投票方法

自書数字式: 候補者の横に手書きで順位を記入する方法。最も一般的で、手作業での集計が容易です。
記号式: 用紙の列にマークを記入して選好を示す方法。光学式スキャナでの集計に適していますが、紙面の都合上、示せる選好の数に制限がある場合があります。
自書式: 用紙に番号が印刷されており、投票者はその番号の横に候補者名を記入します。
タッチスクリーン: コンピュータを使用し、タッチパネルで順位を選択します。選択内容の変更が容易です。

票の多様性

単記移譲式投票では特に、候補者数が多い場合に個々の投票者の選好パターンが非常に多様になることがあります。例えば、ある選挙では12名の候補者に対し約44,000票が投じられましたが、最も多かったパターンでも800票、16,000以上のパターンが1票ずつしかありませんでした。

同順位がない場合、ランキングの総数は候補者数の階乗で表されます。同順位がある場合は、順序付けられたベル数で近似できます。

各国での事例

オーストラリアでは、即時決選投票と単記移譲式投票の2つの方式が用いられています。これらは一般に優先順位記述投票または優先順位付投票と呼ばれます。

即時決選投票: 下院、州議会、地方議会など、一人区の選挙で使用されます。
単記移譲式投票: 元老院、州の上院、タスマニア州議会、オーストラリア首都特別地域の議会など、複数人区の選挙で使用されます。

選好投票を使う制度一覧

Alternative vote top-up
ボルダ投票
バックリン投票
コンドルセ方式
ミニマックス・コンドルセ
Ranked Pairs
シュルツェ方式
ナンソン方式
ケメニー＝ヤング方式
コープランド方式
クームズ方式
単票移譲式
即時決選投票
Contingent vote
Sri Lankan contingent vote
Supplementary Vote

関連項目

アーレンド・レイプハルト
優先順位付投票制

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