遼寧省 (中華民国)

遼寧省の歴史と行政区画の変遷

遼寧省は、かつて中華民国に存在した省であり、設立当初は奉天省として知られていました。この地域は、遼東半島から普蘭店の南側にかけて広がり、日本の租借地であった関東州や南満洲鉄道附属地もその内に含まれていました。民国初年、遼寧省の面積については、1930年に288,518.3平方キロメートルと、1934年には250,813平方キロメートルと報告されています。

地理と行政の変遷

1931年の満洲事変によって遼寧省は一時的に消滅しますが、日本の敗戦に伴い1945年に再び設置されました。この時の行政区画は民初の遼寧省とは異なり、中央部から南部、さらには東と西にかけての広い範囲に渡っていました。遼寧省の西側は河北省と熱河省に接し、北側は遼北省、南側は遼東湾と黄海に面していました。再設置後は瀋陽市が省会として指定され、地域全体が国民政府の体制下に置かれました。

行政体制の取消と変更

遼寧省の成立以降、その行政は清朝の制度を踏襲した時代が続きました。1912年、清朝の実効支配が続く中で、清代の行政区画はそのまま引き継がれ、1913年には軍政と民政の分離が進められました。その後、1928年の張学良による易幟によって奉天省は国民政府の下に移行し、省会を瀋陽に置くことが定められました。

1929年1月には奉天省の名称を遼寧省に変更する決定が下され、3月1日から公式に新名称が使用されることとなりました。以降、この省は1945年に再設立されるまでの間、いくつかの重要な行政区画の変更を経ていきます。

行政区画の詳細

遼寧省はその後も数多くの県を有する行政区画を持っており、例えば、瀋陽県、鉄嶺県、遼陽県などが讃えられています。1913年に発布された『劃一令』により、既存の府や直隷庁、州などの名称が「県」と改称されました。これにより、遼寧省内の行政区分は統一されることとなりました。さらに1915年には県佐制度が導入されましたが、その後1929年の行政制度の改正により廃止されています。

清代の遼寧省内には、瀋陽県や開原県、鉄嶺県、台安県、義県などの重要な県が存在し、それぞれが地域の行政を担っていました。これらの地域の一部は、後に満洲国の支配下に置かれたこともあり、1947年の行政区域の変更においてもその影響が色濃く残っていました。

結論

遼寧省の歴史は、その地理的な位置と日本・満洲国との関係を根幹にした複雑なものでした。元々は清朝のもとで形成された行政区画が中華民国の成立に伴って変化し、国民政府により新たに編成されました。再設置された遼寧省は、短期間として共産党の支配下に入るまでの間、重要な役割を果た・しています。このように、遼寧省の歴史は、地域の変遷や行政の変更に大きく影響されてきたことを示しています。

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