那智 (重巡洋艦)

重巡洋艦那智

那智（なち）は、日本海軍の重巡洋艦で、妙高型の2番艦として知られています。この艦名は和歌山県にある那智山に由来し、その艦内神社は熊野那智大社から分祀されたものです。

艦歴の始まり

那智は1924年11月26日に呉海軍工廠で起工し、1927年6月15日に進水、その後1928年11月26日に竣工を迎えました。起工から竣工までは波乱に富んだ歴史を持ち、1929年には昭和天皇の御召艦として選ばれる栄誉を受け、その後も多くの公務に従事しました。

艦調整や演習にも参加し、特に1930年には特別大演習観艦式に参加しました。また、1932年の第一次上海事変や日中戦争でも活躍。侵攻準備期間を経て1941年8月から9月には長崎に入渠し、太平洋戦争の発端となる戦いに向けて武装を調整しました。

太平洋戦争の中での活躍

1941年12月、太平洋戦争が始まり、那智は第五戦隊に属しました。ダバオ攻略作戦を始め、様々な海戦に参加します。1月のダバオでの空襲では、那智の旗艦が妙高から那智へと変更され、多くの場所での作戦に従事しました。

1942年には、ジャワ島に対する進攻作戦に参加し、スラバヤ沖海戦では連合国と交戦します。この海戦で日本軍は勝利を収めるものの、内部の問題や指揮系統の混乱も見られましたが、那智は第一艦隊の中で重要な役割を果たしました。

北方での活動とその変遷

3月に北方部隊へと転籍し、艦の整備が行われます。その後、さまざまな作戦に参加し、特に日本本土に対する空襲や敵艦の発見情報などに対して迅速に対応を行いました。1943年には第21戦隊に編入され、アリューシャン攻略作戦にも参加します。

この時期には艦の改修や装備の増強も行われ、多くの戦闘に備えていました。勝利も多くありましたが、宿命のように攻撃を受ける瞬間もあり、艦隊全体の状況が厳しい局面を迎えることもありました。

レイテ沖海戦と最期

1944年に入ると、レイテ沖海戦が起きます。この戦闘は日本海軍にとって厳しいものであり、志摩艦隊としての出撃中に様々な困難に直面します。アメリカ軍との激しい交戦が繰り広げられ、その結果、那智は艦首を損傷し帰路につかざるを得なくなります。

敗北後、那智はマニラを拠点として多号作戦に従事しますが、続く爆撃により船体が損傷し、その後1944年11月1日にアメリカ軍機の攻撃を受けて沈没しました。乗員807名が戦死し、220名が救助され、艦の歴史は幕を閉じました。

兵装と艦長

那智の兵装には、20cm連装砲をはじめとした多様な火器が装備され、戦闘能力を高めていました。艦長には多数の人物が指揮を執った記録があり、それぞれの時代において艦の管理や戦術を指導しました。

結論

那智は日本海軍の中で特に重要な役割を果たし、多くの戦闘に参加した艦船です。その歴史を紐解くことで、当時の艦隊戦術や海軍の状態を伺うことができます。歴史の中での彼女の存在は今なお語り継がれています。

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