那閉神社

那閉神社の由緒と概要

那閉神社（なへじんじゃ）は、静岡県焼津市浜当目に鎮座する神社で、地元の人々からは「虚空蔵さん」という愛称で親しまれています。この神社は、神奈備山である当目山（別名：虚空蔵山）の山裾に位置しており、その自然豊かな環境が神聖な雰囲気を醸し出しています。

社伝によれば、那閉神社の創建は継体天皇3年（509年）に遡ります。物部氏がこの地に勧請したのが始まりとされており、当初は鍋崎海中の神の岩に祀られていましたが、後に当目山へと遷座したと伝えられています。この歴史の長さは、地域の信仰の深さを物語るものです。

歴史的背景

那閉神社は、平安時代に編纂された『延喜式神名帳』にも記載されている式内社であり、古くから朝廷の保護を受けていたことがわかります。また、『駿河国神名帳』には、「正五位下 奈閉天神」としてその名が記されており、当時の神階の高さを示しています。

江戸時代には、鍋嶋大明神、鍋神社、鍋崎大明神など、様々な名称で呼ばれていました。これは、地域によって神社の呼び方が異なっていたことを示唆しています。明治時代に入り、神仏分離令が発布されると、那閉神社は隣接する願成寺と分離し、現在の形となりました。

祭神と文化財

那閉神社の主な祭神は、事代主命と大国主命の二柱です。事代主命は、商売繁盛や漁業の神様として、大国主命は、縁結びや福徳の神様として、それぞれ信仰されています。

境内には、焼津市指定有形文化財である常夜灯が残されています。この常夜灯は、文政5年（1822年）に建立されたもので、当時の技術や文化を伝える貴重な遺産です。

摂末社

那閉神社の境内には、以下の3つの摂末社が鎮座しています。

津島神社：祭神は須佐之男命で、厄除けや災難除けの神様として信仰されています。
青木神社：祭神は須藤左門で、この地域にゆかりのある人物を祀っていると考えられています。
* 稲荷神社：祭神は豊受神、御食神、宇迦之御靈神で、五穀豊穣や商売繁盛の神様として信仰されています。

これらの摂末社は、那閉神社をより一層、地域の人々の信仰の中心としています。

那閉神社へのアクセス

那閉神社は、焼津市街地からも比較的アクセスしやすく、静かで落ち着いた雰囲気の中で参拝することができます。訪れる際には、神社の歴史や文化に触れながら、心静かに過ごすことができるでしょう。

那閉神社は、その歴史と豊かな自然に囲まれた、地域にとってかけがえのない存在です。

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