那須小川古墳群

那須小川古墳群の概要

那須小川古墳群（なすおがわこふんぐん）は、栃木県那須郡那珂川町にある古墳群で、駒形大塚古墳、吉田温泉神社古墳群、那須八幡塚古墳群の3つの古墳群から成り立っています。この古墳群は、2002年12月19日付けで国の史跡に指定され、文化遺産としての重要性が認識されています。

古墳群の特徴

古墳群は、権津川流域に広がっており、4世紀中頃に形成されたものとされています。その中には、3つの前方後方墳と21基の方墳が含まれています。特色ある副葬品が多く出土しており、特に駒形大塚古墳からは「画文帯四獣鏡」が、那須八幡塚古墳では「夔鳳鏡（きほうきょう）」と呼ばれる中国製の鏡が見つかっています。また、吉田温泉神社古墳周辺からは埋葬儀式に関わる施設の痕跡も発掘されています。

駒形大塚古墳

駒形大塚古墳（こまがたおおつかこふん）は小川地区に位置する前方後方墳で、全長は64メートルに及びます。前方部は削平が進んでいるものの、後方部はほとんど原型を保っています。この古墳からは多様な副葬品が出土しており、その中には舶載鏡の一種である「画文帯四獣鏡」が含まれています。築造は4世紀中頃とされており、その歴史的価値は計り知れません。

吉田温泉神社古墳群

吉田温泉神社古墳群は、吉田温泉神社古墳（1号墳）と20基の方墳から構成されています。しかし、現在残っている墳丘は1号から3号墳および20・21号墳（金堂古墳）のみです。吉田温泉神社古墳は全長47メートルの前方後方墳で、後方部分は削平され、前方部の墳頂には「温泉神社」が建てられています。古墳近くからは供献用の土器を伴う竪穴建物が発見され、この場所で埋葬に関する儀式が行われたと推測されています。

観音堂古墳

観音堂古墳は、一辺が30メートルの方墳で、東側の約4分の1が河川の氾濫で失われています。墳丘の下からは竪穴建物が発見されており、遺跡としての価値があります。周囲には不整形ながらも堀があり、最も広い南側で9メートル、狭い北西部で6メートルの幅があります。発掘調査では器台や装飾壺などが出土しており、歴史的な見地からも重要です。

那須八幡塚古墳群

那須八幡塚古墳群は、那須八幡塚古墳と吉田富士山古墳の2基から構成されています。那須八幡塚古墳は全長62メートルの前方後方墳で、後半の4世紀に築かれたと考えられています。この古墳からも多くの副葬品が発見されており、特に舶載の夔鳳鏡が注目されています。現在、この古墳は復元されており、一般の人々にもその姿を楽しむことができます。

吉田富士山古墳は、一辺7メートル、高さ3メートルの方墳で、周囲には最大8.5メートルの堀があります。周堀の外側からは、この古墳より古くに築かれた竪穴建物が2軒も見つかっています。

まとめ

那須小川古墳群は、古代の文化や人々の暮らしを知る上で非常に貴重な遺跡です。豊富な出土品や、多様な古墳の構成によって、歴史の研究においても重要な役割を果たしています。

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