那須八幡塚古墳

那須八幡塚古墳について

那須八幡塚古墳（なすはちまんづかこふん）は、栃木県那須郡那珂川町吉田に存在する古墳で、形状は前方後方墳であり、八幡塚1号墳とも呼ばれています。この古墳は、那須小川古墳群の一部であり、国の史跡に指定されています。また、同地域に位置する吉田富士山古墳（八幡塚2号墳）についても、以下で解説します。

概要

古墳は栃木県北東部、那珂川の右岸に築造されています。前方後方墳は、2基が確認されている中で、方墳が20基以上も並ぶ吉田新宿古墳群の南部に位置しています。古墳の発掘は、1953年と1991年に行われ、これらの調査によって多くの重要な情報が明らかになっています。

古墳の形状は前方後方型で、西を前方に向けて築かれています。墳丘表面には葺石（ふきいし）が施されており、周囲には削り出しによって作られたテラスが存在します。そして、その外側には不整形の周溝が巡らされています。この周溝からは数多くの土師器が見つかっています。

埋葬施設は後方部の頂上に設置されており、割竹形木棺が直葬されています。この木棺の主軸は墳丘の主軸と平行で、サイズは長さ4.75メートル、幅0.3メートルです。また、木棺の東西の両端には粘土塊が置かれていました。副葬品として出土したものには、銅鏡（八鳳鏡）や鉄製の剣、鋸、鉇、小刀、斧、鎌など多様な武器や道具が含まれています。

古墳の築造時期は古墳時代前期の後半頃とされています。また、この古墳は近代以降の最初の発掘調査において、特に舶載鏡を副葬品とした前方後方墳としても注目されています。古墳は2002年に国の史跡に指定され、那須小川古墳群の一部として保護されています。

遺跡歴

古墳の発掘調査は次のように進行してきました。1953年には埋葬施設の調査が始まり、副葬品の発掘が行われました。この結果は、1957年に報告書としてまとめられています。次に、1961年に栃木県指定の史跡に指定され、その後1991年に墳形の確認を目的とした発掘調査が行われました。

2002年12月19日には国の史跡に指定され、現在に至っています。

墳丘

那須八幡塚古墳の墳丘の規模は以下の通りです：

• - 墳丘長：60.5メートル（または62メートル）
• - 後方部の長さ：31.5メートル
• - 前方部の長さ：29メートル
• - 幅：16メートル

出土品

1953年の調査で発見された主な副葬品は次の通りです：

• - 銅鏡 1
• - 八鳳鏡 1
• - 鉄製品（剣、鋸、鉇など）：計8点

吉田富士山古墳

那須八幡塚古墳の南には吉田富士山古墳（八幡塚2号墳）があります。この古墳は方墳で、吉田新宿古墳群の南端に位置し、墳頂には富士浅間神社が祀られています。1970年には周溝の発掘調査が行われ、築造時期は不明ですが、同地域の古墳群の前期古墳と考えられています。

この古墳も1953年に栃木県指定史跡に、さらに2002年には国の史跡に指定されています。現在も当該地域の工場敷地内で保存されている状況です。

文化財

那須八幡塚古墳群は、国の史跡に指定されており、2002年にその名称が「那須小川古墳群」へと変更されました。この古墳に関連している出土品は、東京国立博物館や那珂川町なす風土記の丘資料館で保管・展示されています。

このように、那須八幡塚古墳は古墳時代の重要な遺跡として、今後も多くの人々に研究され、理解され続けることでしょう。

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