那須資弥

那須資弥の生涯とその影響

那須資弥（なす すけみつ）は、江戸時代前期の旗本・大名であり、那須氏の24代当主として知られています。下野国烏山藩の初代藩主としての彼の生涯は、波乱に満ちたものでした。

生い立ちと家族背景

資弥は寛永5年（1628年）、青木利長の次男として誕生しました。父は農民から旗本に出世したものの、主君の不正行為に関わったために追放されてしまいました。母・紫は古河藩主の屋敷に仕え、再婚後も家業を支えています。資弥の姉・お蘭は後に徳川家綱の生母となる側室として、江戸幕府において重要な人物となっていきました。これらの家族関係は、資弥の人生において大きな影響を与えました。

幕臣としての出発

資弥は、姉のお楽の方の影響を受けて、正保4年（1647年）に幕臣と召され、蔵米2000俵を与えられました。その後、様々な昇進を遂げ、慶安4年には従五位下、さらに右衛門佐に叙任されるなど、着実に地位を固めていきました。この頃、彼は旗本としての責務を果たす傍ら、那須藩の元となる家筋の再興にも注力していました。

那須藩の設立

承応元年（1652年）、資弥は那須資景の養子となりました。彼は資景の死後、その5千石の遺領を相続し、諱を資祇と改めます。寛文4年（1664年）には、所領が加増され、那須藩の地位を確立することになります。天和元年（1681年）には烏山藩として整備され、烏山城を本拠地とすることとなりました。

後継者問題と烏山騒動

しかし、資弥の生涯には波乱がありました。彼の長男は既に他家を継いでしまい、資弥の後継者不在の状態が続きました。最終的に資弥は、津軽家の三男・資徳を養子に迎えますが、次男の存在が幕府に知られることになります。この事実が表面化したことで、那須家は改易処分にされました。資徳は一時的に他家に預けられ、家名も失墜しましたが、元禄13年（1700年）には再び旗本として復帰します。

資弥の遺産

貞享4年（1687年）に資弥は死去し、その生涯を閉じますが、彼の名は後世にまで語り継がれることとなります。彼の治世は、那須藩の基盤を固め、新たな時代を切り拓くための大きな一歩でした。家族の絡み合う運命、幕末の動乱を生き抜いたその足跡は、日本の歴史においても重要な位置を占めています。再興を遂げた那須家は、後の時代にも影響を与え続けました。

資弥の人生は、単なる一旗本の物語に留まらず、政治的な背景や、家族の絆、悲劇的な騒動を伴った複雑な歴史の一部として、今もなお多くの人々に学びの場を提供しています。

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