郡山城 (摂津国)

郡山城の歴史と概要

郡山城（こおりやまじょう）は、大阪府茨木市にかつて存在していた日本の城です。城主であった郡正信は、高槻城の城主和田惟政の家臣であり、周囲の郡村や中河原村、宿河原村、上野村、下井村、五ヶ市村、七ヶ村を領地としていました。ですが、郡山城の歴史は多くが不明なままで、築城や廃城の日付についてははっきりとした記録が残っていません。

戦争と我が城

郡山城に関する重要な歴史的出来事として、「白井河原の戦い」が挙げられます。この戦いでは、和田惟政と池田勝正の連合軍が荒木村重と中川清秀の連合軍に挑みました。このとき、荒木・中川連合軍が郡山の馬塚という地域に陣取ったとの記録がありますが、これが郡山城を指すのかどうかは議論されています。一説には、軍の本陣は郡山城から北へ約200メートル離れた本頂寺周辺だったとも言われています。また、歴史書『信長記巻十一』には、織田信長が郡山城を訪れたという記載があります。

秀吉が郡山砦の構築に関与したとの記録もあり、彼が有岡城での攻城戦の際に城の修築を行ったとの説も存在します。さらに、『摂津志』によると吹田城の13支城のひとつとして郡山城の名が挙げられています。これらの歴史的な背景から、郡山城は重要な戦略的拠点であったことが伺えます。

城郭とその遺構

郡山城の城郭については、詳細が不明な部分が多いですが、明治時代初期に作成された『東摂城址図誌』に郡山城の絵図が残されています。この図によると、城跡とされる地域は南北に約110メートル、東西には約120メートルの広さがあるとされ、現在の浪速少年院の場所がこの城跡と推測されています。この文献では、城跡が約三分の一が山地、約三分の一が畠地、そして残る三分の一が田地であったと記録されています。おそらく、この時点では既に城跡は消失し、一部は農地として使われていたと考えられています。

浪速少年院自体は小高い丘の上に位置しており、このような地形は昔の城郭として広く用いられていました。また、茨木市教育委員会による案内看板の下には、郡山城で用いられていたとされる石垣の一部も残されています。これらは、大正11年（1922年）に行われた浪速少年院の工事中に見つかったもので、その中には郡家の家紋に関連した三ツ鱗や三ツ星の刻印が施された石も含まれています。周囲には「城の内」や「門口」と言った、郡山城跡を示す地名も残っています。

アクセス方法

郡山城跡の訪問を希望する方々には以下のようなアクセス手段があります。まず、電車の場合はJR茨木駅（JR京都線）から阪急バスの郡山団地行きに乗り、下車後約10分ほど徒歩移動すれば到着します。自動車を利用する場合は、名神高速道路茨木ICで降りて近隣に向かいますが、周辺には駐車場がないため注意が必要です。アクセスが不便に感じるかもしれませんが、歴史的な遺物を感じる貴重な場所であることは間違いありません。

郡山城の存在は、茨木市の歴史に深く根付いており、周辺の地域にはその名残を見ることができます。歴史愛好者や観光客にとって、訪れる価値のあるスポットとなることでしょう。

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