中川清秀

中川清秀：戦国の猛将、波乱の生涯

中川清秀は、戦国時代から安土桃山時代にかけて活躍した、勇猛果敢な武将です。摂津国（現在の大阪府）の出身で、清和[[源氏]]を祖とする名門の末裔を自称していました。当初は摂津国で国衆として池田氏に仕えていましたが、織田信長の台頭とともに信長に仕えることになります。

織田信長への仕えと活躍

清秀は卓越した武勇の持ち主として知られ、「鬼瀬兵衛」の異名をとりました。その名は、数々の戦場で発揮された彼の勇猛さを物語っています。特に、元亀元年の本圀寺の変では、明智光秀と共に三好三人衆を相手に奮戦。奇襲攻撃を提案し、勝利に大きく貢献しました。

その後、主家である池田氏内部の争いに巻き込まれ、一時信長と敵対する立場に立たされることもありましたが、白井河原の戦いでは、荒木村重と協力し織田方の和田惟政を討ち取るという武功を挙げます。この戦いの後、茨木城の城主となりました。

摂津国における勢力争いの中で、清秀は荒木村重、高山右近らと共に独立勢力を築き上げ、やがて信長に服属。4万石余りを領する大名となりました。しかし、天正6年、村重が信長に反旗を翻した有岡城の戦いでは、村重と共に信長と対立。茨木城を包囲され降伏した後も、丹羽長秀や池田恒興らの配下として各地を転戦しました。

羽柴秀吉への仕えと最期

本能寺の変後は、羽柴秀吉に仕え、山崎の戦いでは先鋒として活躍。天王山の争奪戦では600の兵を派遣し、松田政近の攻撃を堀尾吉晴と共に鉄砲隊で迎え撃ち、敵将を討ち取るなどの武功を立てました。しかし、激しい戦闘の末、疲労困憊した状態で、追撃戦には参加できませんでした。

天正11年、賤ヶ岳の戦いにおいて、清秀は柴田勝家方の佐久間盛政の急襲を受け、大岩山砦を守備中に戦死しました。42歳という若さで生涯を終えたのです。

後継者たち

清秀の死後、家督は長男の秀政が継ぎ、秀吉から13万石に加増されました。しかし、朝鮮出兵の際に戦死したため、家臣団の隠蔽工作によって秀吉の怒りを買い、6万石に減封されました。次男の秀成は関ヶ原の戦いで東軍に属し、戦後豊後岡藩の初代藩主となり、中川家は幕末まで続きました。

数々の逸話

清秀の生涯には、数々の興味深い逸話が伝わっています。和田惟政を討つ際の状況判断、荒木村重の謀反を予見した洞察力、織田信長からの寝返りの誘いを断った忠義、山崎の合戦後の秀吉とのやり取りなど、彼の性格や能力の一端を垣間見ることができます。これらの逸話は、清秀の人物像をより深く理解する上で貴重な資料となっています。

参考文献

『わがまち茨木（城郭編）』茨木市教育委員会、1987年3月
大阪府史編集専門委員会 編『大阪府史』 第4巻《中世編 II》、大阪府、1981年5月30日
* 「巻第二百六十 清和[[源氏]] 頼光流」『寛政重脩諸家譜』 第二輯、國民圖書、1923年4月23日

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