郭盛

郭 盛（かく せい）：『水滸伝』の武将

郭盛は、中国の古典小説『水滸伝』に登場する主要な登場人物であり、梁山泊の著名な武将の一人です。彼は、地祐星の生まれ変わりとされ、バトルに際して高い自信を持って行動するキャラクターとして描かれています。彼の渾名『賽仁貴』は、唐代の名将薛仁貴から名付けられたもので、自己の武勇に対する誇りを表しているのです。

人物特徴

郭盛は、堂々とした若者であり、白で統一された戦袍や甲冑、乗馬を身にまとっています。この白は、赤い装いのライバル呂方とのコントラストを作り出しています。彼の性格は非常に自信家で、呂方に負けない戟の腕を誇示せんとする姿勢が強く、呂方とは対照的により挑戦的な性格をしています。彼は呂方に対して腕比べを挑むことに執着し、そのためにはしばしば少々無謀とも言える行動を取ります。

生涯

郭盛は、元々嘉陵出身の水銀商人でしたが、商船が嵐に遭い破産してしまいます。次第に同じ境遇の若者たちとともに流賊の徒党を組織し、数が増えるにつれてその名を広げていきました。青州にたどり着いた彼は、自身と同じ年ごろ、同じ戟の使い手の呂方に興味を持ち、腕比べを挑むために対影山に乗り込みました。

呂方は郭盛に対し、二つの山の半分を譲る提案をしますが、郭盛はそれを拒否し、一騎討ちで彼の腕前を証明しようとします。この勝負は、初めはうまくいかず、双方の技術が拮抗していたため、半月近くも決着がつきませんでした。ある日、二人の戟が絡まり、どうすることもできなくなってしまったその瞬間、外から放たれた矢が戟を解きます。その矢を放った人物は、武の達人・花栄でした。彼や宋江、秦明といった有名な義士が現れ、郭盛と呂方は一瞬の敵対心を忘れ、一行に加わることを懇願しました。

梁山泊への入山後、郭盛は呂方とともに宋江の護衛を務め、多くの戦闘に参加しました。祝家荘での戦闘では敵将を討ち取り、曾頭市との戦いでも連携して敵に挑戦しましたが、敵わず返り討ちにあいそうになる場面もありました。しかし、彼らは花栄の助けを借りて敵将を打ち破ることに成功します。

百八星が集結した後、郭盛は騎兵近衛隊長に任命され、官軍との戦いにおいても宋江や盧俊義の護衛として活躍しました。方臘の討伐戦では、競争しながらも困難な局面に直面し、最終的には郭盛が敵の攻撃で命を落とすことになります。彼の努力や忠誠心は多くの人々の記憶に残ります。

その他の情報

郭盛は、金庸の武俠小説『射鵰英雄伝』やその続編に登場する郭靖の先祖とされる設定があり、彼の血筋は物語を通じて受け継がれていきます。彼は生きた伝説の一部として今も語り継がれる存在です。

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