郭雲

郭雲（かく うん）は、生没年不詳の元末明初の軍人であり、本貫は南陽府にあります。彼は、身長が8尺を超える堂々とした体躯と、威厳のある容貌の持ち主でした。

元末の混乱期に、郭雲は義兵を集めて裕州泉白寨を守備しました。その軍事的才能とリーダーシップから、彼は順調に昇進を重ね、最終的には湖広行省平章政事という要職にまで上り詰めました。しかし、元の順帝が北方に逃れると、河南の多くの州県が明の洪武帝に降伏する中、郭雲は頑なに抵抗を続けました。

明の大将軍徐達は、郭雲を討伐するために指揮官の曹諒を派遣し、泉白寨を包囲しました。郭雲は果敢に出撃して戦いましたが、遂に捕らえられてしまいます。徐達は郭雲に跪いて降伏を促しましたが、郭雲はこれを拒否し、立ったまま徐達を激しく罵倒しました。彼は死を恐れず、刃を突きつけられても屈することはありませんでした。郭雲の不屈の精神と勇敢な態度に感銘を受けた徐達は、彼を殺すことなく、南京へ護送しました。

洪武帝は、郭雲の立派な容貌を珍しく思い、彼を釈放しました。さらに、洪武帝が『漢書』を与えたところ、郭雲は熱心に読み込み、その学識を高めました。この勤勉な姿勢に感銘を受けた洪武帝は、郭雲を厚く賞賛し、多くの恩賞を与えました。

その後、郭雲は溧水知県に任用され、その卓越した統治能力で人々の信頼を集めました。さらに、彼は南陽衛指揮僉事に抜擢され、故郷に戻ってかつての部下を集め、南陽衛の警備に当たりました。数年後、郭雲は生涯を終えました。

郭雲の長男である郭洪は、父の功績により、わずか13歳で宣武将軍・飛熊衛親軍指揮使司僉事に任じられ、その地位を世襲することとなりました。

参考文献
* 『明史』巻134 列伝第22

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