郷内地区

倉敷市児島地域 郷内地区：歴史、自然、産業が織りなす魅力

郷内地区は、岡山県倉敷市児島地域の北部に位置し、かつての児島郡郷内村の一部にあたります。由加山と種松山に囲まれた盆地に広がり、地区の中央を郷内川が流れる自然豊かな場所です。この記事では、郷内地区の歴史、地理、産業、文化に焦点を当て、その魅力を詳細に解説します。

歴史：荘園から門前町、そして現代へ

郷内地区は、中世には児林庄という荘園の比定地であり、福岡とも呼ばれていました。近世には熊野神社・五流尊瀧院の門前町として栄え、新熊野とも称されました。地区内には多くの中小の神社仏閣が点在しており、歴史的な背景を物語っています。

明治時代初期には、林村、串田村、曽原村、福江村、尾原村、木見村という6つの村が存在していましたが、明治11年に合併や改称を経て、郷内村が誕生しました。その後、昭和34年に児島市へ編入合併し、昭和42年に倉敷市となりました。

林地区：郷内の中心地

林地区は、郷内の中枢的な地区であり、郷内公民館や郷内郵便局などが置かれています。かつては郷内村役場も置かれていました。熊野神社・五流尊瀧院の門前町として栄え、現在もその名残が見られます。児島郷の中枢地域であったことに由来し、郷内という地名が生まれました。

串田地区：鼻高山城址と塩干の集落

串田地区は、郷内の最北部に位置し、種松山の南東麓にあります。鼻高山城址があり、戦国時代には毛利氏によって築城されました。また、塩干（ひぼうし）集落は、源平合戦にまつわる歴史を持っています。

曽原地区：一等寺と小倉織

曽原地区は、郷内の北西端に位置し、種松山の南東麓にあります。真言宗御室派の一等寺があり、江戸時代には福江を領有していました。幕末には、備前小倉織が盛んで、小倉商人も輩出しました。

福江地区：福南山と交通の要衝

福江地区は、福南山の北麓にあり、かつては藤戸海峡の入江でした。岡山県道21号線と同62号線が交差し、道路交通の要衝となっています。そのため、福江流通団地が造成されました。

木見地区：児島高徳の出生地伝説と瀬戸大橋線

木見地区は、蟻峰山や福南山などの山地に囲まれています。児島高徳の出生地であるという説があり、墓所であるとも言われています。瀬戸大橋が開通すると、JR西日本本四備讃線が開業し、木見駅が開業しました。

尾原地区：由加詣での北参道と小倉織

尾原地区は、由加山北方の谷間に位置し、由加詣での北参道が通ります。幕末には、小倉織が盛んで、大坂・尾張まで販路を伸ばした職人もいました。

産業：帆布、撚糸、そしてかつての小倉織

郷内地区は、地場産業として帆布（倉敷帆布）が有名です。また、撚糸や織物などの繊維産業も盛んです。かつては備前小倉織の一大産地でしたが、現在は衰退しています。農業も行われており、米などが生産されています。

文化：神社仏閣と五流博物館

郷内地区には、熊野神社や五流尊瀧院をはじめとする多くの神社仏閣が点在しています。五流尊瀧院には五流博物館が併設されており、修験道に関する資料などが展示されています。

交通：鉄道と道路

郷内地区には、JR本四備讃線（瀬戸大橋線）の木見駅があります。かつては下津井電鉄線が通っていましたが、1972年に廃止されました。道路は、瀬戸中央自動車道の水島インターチェンジや岡山県道21号岡山児島線、岡山県道62号玉野福田線などが通っています。

郷内地区のこれから

郷内地区は、歴史的な背景と豊かな自然、そして地場産業が調和した魅力的な場所です。幹線道路の整備により、ロードサイド店や住宅地が増加し、人口や交通量が増加しています。今後は、これらの変化に対応しながら、郷内地区の個性を活かした発展が期待されます。

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