郷土唱歌 (上峰町)
郷土唱歌
「郷土唱歌」とは、佐賀県三養基郡上峰町で大正時代から親しまれている伝統的な唱歌です。この唱歌は、古川太七によって作詞・作曲され、地域の歴史や特徴を表現しています。
歌の構成
この歌は全10番から成っており、1番では上峰村の地勢を描写し、2番では大正中期（1920年頃）の世帯数や人口について言及しています。それ以降の番では、村内の歴史や名所が取り上げられ、最終番では村民の団結を歌い上げています。また、歌詞の全文および楽譜は1979年に発行された『上峰村史』の巻頭に収録されています。
作詞・作曲者の背景
作詞・作曲を手がけた古川太七は、昭和初期にかけて県内の尋常小学校において国語教育の専門家として知られていました。戦後には三養基郡西部五村の教育長としても活躍しました。「郷土唱歌」は、彼が村立小学校で教えやすいように作成したものと考えられています。具体的な制作時期は未確定ですが、10番の歌詞の内容から見ると1920年代初頭の大正時期と推測されています。
歴史的な変遷
1970年代には、村民のための音頭「上峰音頭」（作詞・作曲：高島正英）が新たに作られ、その際にエムプレスレコードから発売されたシングル盤に「郷土唱歌」が収録されました。このレコードのB面には、山路進一の編曲とアンサンブル・ボッカによる歌唱が使われています。
1989年には上峰村が町制を施行し上峰町となりましたが、郷土唱歌はその後も町歌と同じように大切に扱われており、佐賀県内で最古の自治体歌としての地位を持っています。
現代の利用
2014年には、原曲の旋律に新たな歌詞が加えられた「上峰町郷土唱歌 2014ver.」が作成され、この曲は町民体操「かみみね体操」のBGMとして使用されています。さらに、2018年11月には町制30周年を記念して新しいイメージソング「このまちで」（作詞・作曲：小島よしき）が発表されました。これにより、郷土唱歌は、新しい形で地域のアイデンティティを育んでいます。
参考文献
- - 上峰村史編さん委員会 編『上峰村史』（上峰村役場、1979年）
関連項目
もう一度検索
【記事の利用について】
タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。
【リンクついて】
リンクフリーです。