都々古別神社

都々古別神社

福島県東白川郡棚倉町に位置する都々古別神社は、古からの歴史を持つ神社で、陸奥国白河郡に所属しています。この神社には、主に馬場社と八槻社の2つの同名の神社が存在し、両方とも延喜式に記載される名神大社に分類されています。特に両社は陸奥国一宮と称され、地元信仰の中心地となっています。

概要

延長5年（927年）に完成した『延喜式』神名帳には、陸奥国白河郡に「都都古和気神社 名神大」と記載されており、これに基づいて馬場都々古別神社と八槻都々古別神社が論社として挙げられています。どちらの神社も祭神には味耜高彦根命（あじすきたかひこねのみこと）と日本武尊（やまとたけるのみこと）を祀っています。

この神社の名称については様々な解釈が存在していますが、「つつこわけ」の由来は、藁で作ったわらつと（籾入れ）や「筒」、さらには長野県の千鹿頭神に由来する説がございます。中世・近世には『馬場明神』や『八槻明神』などとも称され、明治時代以降は「都々古別神社」として現在に至ります。

歴史

創建に関しては、馬場社と八槻社のいずれも第12代景行天皇の時代に日本武尊がつくりあげたという伝承があります。馬場社は棚倉城の址に建立された後、寛永2年（1625年）に現在地に移築され、八槻社も同様に歴史があります。

また、いくつかの文書において、都々古別神社の初見は『続日本後紀』承和8年（841年）に広く知られ、後に名神大社としての地位を確立しました。中世には山岳信仰の影響を受け修験化し、別当の高松家がその管理を行っていました。

特に馬場社は、棚倉城築城に伴って現在の位置に移され、八槻社も同時期にその地位を確立しました。明治6年（1873年）には国幣中社に指定され、戦後には神社本庁の別表神社として認知されています。

境内と文化財

両社の本殿は、特に歴史的な価値が高いとされており、馬場社の本殿は桃山時代の建築であることから日本の重要文化財に指定されています。また、接続する摂末社もいくつかあり、その中には稲荷神社、神明宮などが存在します。

祭事に関しては、毎月行われる月次祭をはじめ、歳旦祭、祈年祭、例大祭など盛大に行われており、地域の重要な文化的行事として多くの人々に親しまれています。特筆すべきは「御田植祭」で、農業神としての性格を体現すべく、豊作を祈願する神事が行われ、国の重要無形民俗文化財に指定されています。

現在の訪問者

現在の都々古別神社は、観光地としてだけでなく、地域住民の信仰の中心としても名高く、周辺には他の神社も多数存在し、訪れる人々の心を癒し続けています。また、文化財としての意義も高く、訪問することで多くの日本の伝統や歴史を感じることができる場所でもあります。

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