都家歌六

都家歌六について

都家歌六（みやこや うたろく）は、長い歴史を持つ落語家の名跡で、数代にわたる芸人たちが受け継いできました。現在はこの名跡は空き名跡となっています。

名跡の歴史と人物

初代都家歌六の詳細は不明ですが、元々は西久保神谷町の御家人で、初めての師匠は都々逸坊扇歌でした。彼は主に浮かれ節の謎合せに秀でており、通称「権中納言」として知られていました。本名は畔柳藤二兵衛です。

続いて、2代目都家歌六（1825年生 - 不詳）は音曲師として活動し、最初は柳亭左楽の門下で「清我」を名乗り、後に「歌六」に改名しました。彼は兄ィと呼ばれたこともあり、横浜新富亭での公演中に68歳で他界したとも言われています。

4代目（1871年 - 1926年）は、本名を井本亀之助とし、1892年から落語家としての道を歩んでいきました。かつては「柳家栄太郎」や「春風亭楓枝」と名乗り、最終的には1917年に歌六を名乗りました。彼は歌いながら踊る改良剣舞を得意とし、数々の音源も残しています。

7代目の都家歌六は、大正時代の終わり頃から活動し、何度か名前を変えつつ、最終的に都家歌六を襲名しましたが、戦争やその後の混乱により芸風などの詳細は伝わっていません。

8代目都家歌六（1930年 - 2018年）は、愛知県名古屋市出身で、本名は真野良夫といいます。彼は三代目桂三木助の弟子としてキャリアをスタートし、四代目三遊亭圓遊の下でさらに磨きをかけました。1969年には真打に昇進し、都家歌六を襲名しました。また、ドラマにも出演し、特に「のこぎり（ミュージックソー）演奏」に取り組むようになり、後にこの演奏を本業としました。2015年頃からは高座から引退し、高齢による体調不良を抱えていました。最終的には2018年に亡くなりました。

演艺と文化的貢献

都家歌六は、落語家としての活動だけでなく、本業のミュージックソー演奏やレコード収集家としても知られ、特に落語に関する資料をまとめた著書『落語レコード八十年史』が評価されています。この分野での研究は他に類を見ないもので、多くの人々から支持を受けていました。

また、定期的にNHKラジオでも彼のコーナーが設けられ、自身のコレクションや解説を通じて落語文化の普及にも寄与しました。彼の落語や演芸への情熱は、歌六の名跡が持つ歴史的背景にも色濃く映し出されています。

このように、都家歌六という名跡は、ただの名跡にとどまらず、多彩な才能と伝統的な技を持った芸人たちによって形作られ、落語界において重要な役割を果たしてきたのです。

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