都市史

都市史の概説

都市史（としし、英語：urban history）は、都市の発展過程や歴史、さらにはその研究を指す学問の領域です。この分野は、郷土史、建築史、都市社会学、都市地理学、さらには考古学など、さまざまな学問と結びついているため、単独での学問とは言い難く、学際的なアプローチが求められます。

都市の歴史的背景

考古学の観点では、最古の町エリコは約1万年前に遡るとされていますが、最初の都市が形成されたのはおそらく紀元前3500年から紀元前3000年のメソポタミアであると言われています。その後、エジプトやインダス、黄河流域でも同様の都市文明が発達しました。特にモヘンジョダロは、紀元前2500年から紀元前1800年にかけて繁栄し、当時は4万人近くが暮らしていたと推測されています。これらの初期の都市の多くは、都市国家として機能し、ひとつの都市とその周辺部が独立した国家形態を形成していました。

日本の都市史研究

戦後の日本における都市史の研究は、実証主義的な歴史観からスタートし、特に近世史の分野での盛り上がりが見られました。1960年代までには豊田武や原田伴彦らが「封建都市」という概念を提唱し、都市史を深く掘り下げました。また、松本四郎や朝尾直弘は、幕藩体制に基づく視点から都市の発展やその構造を研究しました。

1970年代には吉田伸之や塚田孝らが江戸や大坂などの大都市をフィールドにしました。彼らは都市の空間的構造や社会的構造、さらに都市の下層層についても研究を進め、特に「身分的周縁」といった新たな概念が提唱されることとなりました。これにより、都市の発展には政治経済的な要素が大きく影響していることが明らかになり、都市史はより立体的に捉えられるようになりました。

結論

都市史は、古代から現代に至るまでの都市の変遷を理解するための重要な学問領域です。また、それは単なる過去の記録を超え、現在や未来の都市設計、社会構造の理解にも寄与しています。都市史研究は今後も、様々な視点から都市とその周辺環境の理解を深めるために進化していくことでしょう。

関連項目

• - 歴史上の推定[[都市人口]]
• - 建築史

外部リンク

• - 都市史研究センター
• - あちらの事情、こちらの思惑―建築史、都市史をめぐる断章
• - 歴史学における都市空間 (PDF)

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