都築直子

都築直子は、1955年8月12日東京都生まれ。上智大学外国語学部仏語学科を卒業後、スカイダイビング・インストラクターという異色のキャリアをスタートさせました。その後、小説家、歌人へと転身するという、他に類を見ない経歴の持ち主です。

短歌への関心は、穂村弘のエッセイがきっかけでした。中部短歌会で春日井建に師事し、春日井の没後は前川佐美雄が創刊した「日本歌人」を拠点に活動を展開。作風としては、高野公彦や小池光からの影響を強く受けています。

1989年には、「エル・キャプ」で第53回小説現代新人賞を受賞。2006年には、日本歌人新人賞を受賞するなど、その才能は高く評価されています。2007年には、歌集『青層圏』で第13回日本歌人クラブ新人賞と第51回現代歌人協会賞をダブル受賞。2013年1月から12月まで、砂子屋書房のサイトで「一首鑑賞＊日々のクオリア」を連載し、短歌の世界に新たな視点をもたらしました。

主な著書には、

『わたし、ピーター・パン！』（1985、立風書房）
『青い空（ブルー・スカイズ）黒い死（ブラック・デス）』（1991、講談社）
『フリーク・シスターズ』（1991、早川書房）
『ダイスをころがせ』（1992、講談社）
『二十四粒の宝石　超短編小説傑作集』（共著、1995、講談社）
『空の鼓動にふれよ』（1999、毎日新聞社）
歌集『青層圏』（2006、雁書館）
歌集『淡緑湖』（2010、本阿弥書店）

などがあります。

都築直子の作品は、スカイダイビングで培われたであろう、空への憧憬や身体感覚が色濃く反映されているのが特徴です。また、人間存在の深淵を鋭く見つめる視点も持ち合わせており、読者に深い感動と共鳴を与えます。小説、短歌という異なるジャンルで才能を発揮し続ける都築直子の今後の活躍から目が離せません。

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