高野公彦

高野公彦について

高野公彦（たかの きみひこ、1941年12月10日 - ）は、日本の著名な歌人であり、歌誌「コスモス」の編集者及び選者として知られています。彼の本名は日賀志康彦です。彼は「コスモス」への参加を機に宮柊二のもとで学び、端正かつ厳選された表現で人生の深いテーマを短歌に込めてきました。さらに、同人誌「桟橋」を創刊し、短歌の普及にも寄与しています。

経歴

高野公彦は愛媛県喜多郡長浜町（現・大洲市）で生まれました。東京教育大学の文学部国文科を卒業後、1964年に短歌会「コスモス」に入会し、宮柊二に師事しました。彼は河出書房新社で26年間編集者として勤務し、その後青山学院女子短期大学の国文学科の教授として教鞭を執りました。また、日経歌壇や朝日歌壇、新潟日報、南日本新聞といった有名な歌壇の選者も務めています。

彼の年譜には、1960年に愛媛県立松山工業高等学校を卒業し、日産自動車に入社してエンジンの実験に従事したことが記されています。その後、1961年に横浜国立大学の工学部に進学するも中退、日産自動車も退社しました。1964年には歌の道へと進む決意を固め、コスモス短歌会に入会。東京教育大学を卒業後、河出書房新社に入社し、短歌の世界でのキャリアを築きました。

作品と受賞歴

高野公彦の短歌は、深い感受性を特徴としており、多くの賞を受賞しています。1976年にはコスモス賞を受賞し、以降も数々の歌集を発表しました。『汽水の光』（1976年）、『天泣』（1996年）、『水苑』（2000年）、『河骨川』（2012年）、『流木』（2014年）などが彼の代表作です。特に、歌集『天泣』は第1回若山牧水賞を受賞し、歌集『水苑』は第16回詩歌文学館賞と第35回迢空賞を受賞しています。

また、彼は紫綬褒章や旭日小綬章などの栄誉も受け、名声を確立しました。2019年には『明月記を読む』（上下巻）で第42回現代短歌大賞を受賞し、彼の歌の世界に対する評価がさらに高まりました。

著作

高野公彦は、歌集のほかにも多くの著書を著しました。歌書やエッセイとしては『地球時計の瞑想』（1989年）、『うたの前線』(1990年)、『ことばの森林浴』（2008年）などがあり、短歌の楽しみ方や詩歌の本質を探求する内容となっています。

彼の知識と情熱は、後進の歌人たちにも影響を与え、彼の作品に親しむことで多くの人々が短歌に対する理解を深めています。さらに、編集者としても幅広く活動し、現代の短歌の発展に寄与しています。

結論

高野公彦は、その作品によって日本の短歌界に大きな影響を与えてきた歌人です。彼の主題へのアプローチは、常に深く、美しい言葉で表現されており、多くのファンに愛されています。彼の文学的探求は今なお続いており、これからもその作品が人々に感動を与え続けることでしょう。

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