都築貞枝

都築貞枝：教育への情熱を燃やし続けた生涯

都築貞枝（つづき さだえ）は、1901年4月21日に徳島県で生まれ、1987年10月20日に生涯を閉じた日本の教育者です。学校法人都築学園の創設者であり、理事長を務めました。彼女の教育への情熱は、数多くの学校の設立と、そこで学ぶ人々の人生に大きな影響を与えました。

生い立ちと教育

貞枝は、徳島県名西郡石井町で、父・久米丑太郎と母・イシノの長女として生まれました。幼少期に父を亡くすという経験をしましたが、その後も学業に励み、1917年に石井尋常高等小学校を卒業。その後、看護婦国家試験に合格し、1922年には大阪天王寺高等女学校を卒業しました。さらに、1925年には実践女学校専門部家政科を卒業し、同科の助手として教育の道を歩み始めました。

教職への道

1926年、貞枝は石川県立輪島高等女学校の教諭となり、教員としてのキャリアをスタートさせました。その後、結婚を機に一時教職を離れますが、1931年には福岡県立柳河高等女学校の研究科講師として復帰。1933年には福岡県立早良高等女学校の教諭となりました。これらの学校での教員経験は、彼女の教育観を形成する上で重要な役割を果たしました。

戦後の教育改革と女性校長

戦後の教育改革期において、貞枝は1948年に福岡県立西福岡高等学校の校長に就任。これは、戦後初の公立高校女性校長として、日本の教育史に残る出来事でした。その後も、福岡県立筑紫中央高等学校の校長、法務省人権擁護委員など、多岐にわたる役職を歴任し、教育界だけでなく社会全体にも貢献しました。

学校法人都築学園の設立

1955年、貞枝は学校法人高宮学園（現在の都築学園）の設立準備委員長に就任。1956年には理事長となり、福岡第一高等学校を開校させ、自ら校長も務めました。その後も、第一薬科大学、福岡第一商業高校、みやこ幼稚園、第一経済大学など、数多くの教育機関を設立し、その運営に尽力しました。

教育への情熱と功績

貞枝の教育への情熱は、大学、高校、幼稚園、専門学校、予備校など、あらゆる教育段階に及びました。彼女が設立に関わった学校は、地域社会に貢献する人材育成に力を注ぎ、数多くの卒業生を社会に送り出しました。1974年には、その功績が認められ勲三等宝冠章を受章。また、1987年には従四位に叙せられ、昭和天皇から銀盃を賜与されました。

都築貞枝の死と遺志

都築貞枝の命日である10月20日は、都築学園グループ傘下の学校では「創立者記念日」とされ、すべての授業が休講となります。各学校では、貞枝と夫・頼助の遺影を飾った祭壇が設けられ、職員は献花と参拝の形式で故人を偲んでいます。都築貞枝の遺志は、現在も都築学園グループの教育活動に受け継がれています。

外部リンク

都築学園グループ

都築貞枝は、教育者としての卓越した能力と、社会貢献への熱意をもって、日本の教育界に大きな足跡を残しました。彼女の生涯は、教育の重要性と、女性の活躍を象徴するものとして、後世に語り継がれていくことでしょう。

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