都電志村線

都電志村線について

都電志村線は、東京都交通局によって提供されていた路線で、かつては東京都板橋区の板橋と志村を中山道に沿って結んでいました。この路線は、都電板橋線と接続されており、ともに都電志村線と呼ばれていました。以下に、その歴史や運行情報について詳しく説明します。

歴史

都電志村線は、1929年4月19日に東京市電気局によって巣鴨車庫から西巣鴨町（現在の西巣鴨）間が開業し、初めて市民の利用が始まりました。すぐその後、1929年5月27日には西巣鴨町から下板橋間が開通し、運行がスタートしました。このとき、24系統の運行が開始され、下板橋から巣鴨車庫、そして日比谷へと続いていました。

その後、1931年には運行系統が改定され、18系統が神田橋から下板橋間に指定されました。さらに1944年には新板橋までの延長が行われ、志村までの路線が整備されました。運行系統は時折変更され、1947年には神保町から志村までの運行が神田橋からの運行に再度変わりました。

1966年5月29日、都営地下鉄6号線の建設に伴い、都電志村線は廃止されました。これは、道路幅の確保のために行われた措置で、最終運行が行われた日となります。その後、代替交通として都営バスによる運行が設定されましたが、1968年には都営地下鉄6号線の開通により、こちらも廃止されています。

系統と運行情報

最後の運行時点では、以下の系統が利用されていました。

• - 18系統: 神田橋から神保町、春日町、巣鴨車庫前、志村坂上までを結ぶ路線。この中には板橋本町折り返し便もありました。
• - 41系統: 巣鴨車庫前から志村橋を結ぶ便。

どちらの系統も1966年5月末日をもって運行を終了しました。

停留場一覧

都電志村線の運行に伴い、途中停留場も多数設けられました。主な停留場を以下に示します。

• - 巣鴨車庫前: 巣鴨駅の近くに位置し、巣鴨電車営業所があります。
• - 西巣鴨: 以前は「西巣鴨町」として知られていました。
• - 新庚申塚: 1930年代に改称された停留場であり、現在の荒川線の停留場に相当します。
• - 板橋駅前: 当初は「板橋郵便局前」として設置されていました。
• - 志村坂上: 開業当初は単に「志村」と名付けられ、のちに改称されました。

このように多彩な停留場が存在し、それぞれが地域の交通網の一部として機能していました。

利用状況

運行本数や日々の輸送人員についての具体的なデータは少ないですが、都電志村線は多くの乗客に利用されていました。また、各種接続路線との連携も取られており、地域の交通の重要な役割を果たしていたことが伺えます。特に西巣鴨停留所では都営トロリーバスとも接続しており、便利な交通手段となっていました。

結論

都電志村線は、東京都内の交通網の中で重要な役割を果たしていた路線です。歴史の中で多くの変遷を経て、最終的に地下鉄の建設に伴い廃止されたものの、その足跡は今日の交通システムに影響を及ぼしています。その歴史を知ることは、地域の交通の進化を理解する上で欠かせない要素と言えるでしょう。

もう一度検索