酒井忠宝 (庄内藩主)

酒井忠宝（さかい ただみち）

酒井忠宝は、江戸時代末期に生まれ、明治、大正時代を生きた人物です。彼は、出羽庄内藩の第9代藩主であった酒井忠発の六男として生まれました。兄である忠篤が戊辰戦争の責を負い蟄居処分となった後、酒井佐衛門尉家の第18代当主となり、激動の時代の中で藩主としての役割を担うことになります。

経歴

戊辰戦争において、兄・酒井忠篤が官軍に降伏したことで、忠宝は藩主の座につくことになります。当初は陸奥会津藩、次いで陸奥磐城平藩へと移封されますが、70万両という巨額の献納を行ったことで、最終的には庄内藩へと戻ることが許されました。この庄内藩への復帰は、明治維新後の混乱期における酒井家の存続を大きく左右する出来事でした。

明治維新後、版籍奉還が行われ、忠宝は知藩事となりますが、明治4年（1871年）の廃藩置県により免官となります。その後、明治13年（1880年）に隠居し、兄である忠篤に家督を譲りました。これは、忠篤が再び当主として復帰することを意味します。大正10年（1921年）、66歳でその生涯を終えました。なお、忠篤の長男である酒井忠良を養子としています。

栄典

酒井忠宝は、その功績により、以下の位階を授与されています。

1891年（明治24年）6月16日 - 従四位
1900年（明治33年）6月20日 - 従三位

親族

酒井忠宝の親族は以下の通りです。

父：酒井忠発 - 庄内藩9代当主
養父：酒井忠寛 - 10代当主、忠発の弟
兄：酒井忠篤 - 11代当主、忠発の五男
母：家女房
正室：鍈子 - 遠藤胤城の娘
生母不詳の子女
長男：酒井忠純（1886年 - 1964年） - 妻は忠篤の娘
次男：酒井忠和
長女：鑑子 - 子爵稲葉順通の妻
次女：銑子 - 安田保善社総長安田善次郎の妻
三女：鉐子 - 衆議院議員久須美東馬の妻
四女：淑子 - 実業家西脇健治の妻
養子：酒井忠良 (伯爵) - 忠篤の次男

参考文献

庄内人名辞典刊行会編『新編庄内人名辞典』庄内人名辞典刊行会、1986年。

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