醢僮尸逐侯鞮単于

醢僮尸逐侯鞮単于（かいとうしちくこうていぜんう、拼音: Hǎitóngshīzhúhóudīchányú、生年不詳 - 63年）は、後漢時代の南匈奴の単于です。称号は醢僮尸逐侯鞮単于で、姓は虚連題氏、名は適といいます。父は醢落尸逐鞮単于です。

生涯

醢僮尸逐侯鞮単于は、醢落尸逐鞮単于の子として生まれました。

永平2年（59年）、伊伐於慮鞮単于が亡くなると、単于として即位しました。この時期、匈奴は南北に分裂しており、彼は南匈奴の長として後漢王朝と関係を築きながら、北匈奴との対立を抱えていました。

永平5年（62年）、北匈奴が五原塞に侵入し、雲中郡を荒らし、原陽にまで進出しました。これに対し、南単于の適は自ら軍を率いて北匈奴を撃退しました。この時、後漢王朝から派遣された西河長史の馬襄が救援に駆けつけ、北匈奴は撤退しました。この戦いでの勝利は、南匈奴の勢力維持に大きく貢献しました。

永平6年（63年）、醢僮尸逐侯鞮単于は亡くなり、従弟の蘇（丘除車林鞮単于）が後を継ぎました。彼の短い在位期間ではありましたが、南匈奴の安定に尽力したことが伺えます。

時代背景

後漢初期の匈奴は、内紛と自然災害により衰退し、南北に分裂しました。南匈奴は後漢に服属し、保護を受けることで勢力を保ちましたが、北匈奴は後漢との対立を続けました。醢僮尸逐侯鞮単于の時代は、このような南北匈奴の対立が激化していた時期であり、彼のリーダーシップが南匈奴の存続を左右する重要な局面でした。

参考資料

* 『後漢書』（南匈奴列伝）

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