里山辺村

里山辺村（さとやまべむら）

概要

里山辺村は、長野県の中西部に位置していた村で、1875年1月23日に誕生し、1954年8月1日に松本市に編入される形でその歴史を閉じました。村の高台からは、松本市街地をはじめ、波田や山形の美しい景色を一望することができました。また、1864年頃からぶどう栽培が盛んに行われるようになり、1877年には「山辺ぶどう」というブランドが確立しました。この地域では、ぶどう畑が広がる風景が見られ、その恵みを生かしたワイナリーも開発されています。さらに、美ヶ原温泉が近いことも特徴で、里山辺村で瓦屋を営んでいた人物が、屋根から落ちて療養したことをきっかけに温泉が掘削され、旅館が開業するに至ったという逸話も残っています。

歴史

1864年（元治元年）：南小松村の倉田半次郎氏らが中心となり、甲州種ぶどうの栽培を開始。これが現在の山辺ぶどうのルーツとなる。
1875年（明治8年）1月28日：筑摩県筑摩郡の林村、大嵩崎新田村、南小松村、北小松村、薄町村、上金井村、兎川寺村、湯原村、荒町村、藤井村、新井村、下金井村が合併し、里山辺村が発足。
1876年（明治9年）8月21日：長野県の所属となる。
1879年（明治12年）1月4日：郡区町村編制法の施行により、東[[筑摩郡]]の所属となる。
1889年（明治22年）4月1日：町村制の施行により、里山辺村が単独で自治体を形成。
1954年（昭和29年）8月1日：松本市に編入され、里山辺村は廃止となる。
1955年（昭和30年）：山辺ぶどうの取引市場を開拓し、産地直送のトラック輸送に取り組み、当時のトラック輸送が少ない時代にぶどう生産者組合の快挙となった。

行政

廃止時の村長：新井元也（1951年4月24日就任）

教育

里山辺村立里山辺小学校
里山辺村立里山辺中学校

観光地

旧山辺学校校舎：長野県宝に指定されているこの建物は、1885年（明治18年）に建築されました。1928年（昭和3年）に校舎としての役目を終えた後、里山辺村役場庁舎として利用されました。現在は山辺学校歴史民俗資料館として、また「障子学校」の愛称でも親しまれています。
美ヶ原温泉：里山辺村にほど近い場所に位置する温泉地です。
山辺ワイナリー：地元産のぶどうを使ったワインを製造するワイナリーです。
兎川寺：飛鳥時代に建立された歴史ある寺院です。
針塚古墳：松本市内で唯一確認されている、周溝を持つ円墳の積石塚古墳です。

脚注

関連項目：長野県の廃止市町村一覧

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