里見八犬伝 (1983年の映画)

映画『里見八犬伝』

『里見八犬伝』は、1983年12月10日に公開された日本映画で、監督は深作欣二、製作は角川春樹によるものです。この作品は、鎌田敏夫が書いた小説『新・里見八犬伝』を映画化したもので、色鮮やかなビスタサイズで表現されました。

作品の特長

本作は、従来の時代劇にない新鮮な要素を取り入れ、大型エンターテインメント映画として大きな注目を集めました。特に、日本映画において初めて特殊メイクがクレジットに表示された作品であり、JACによる迫力あるアクションや、ロック調の英語の主題歌が印象的です。

1984年の配給収入では、日本映画最高の23億2000万円に達し、同時に発売されたビデオも5万本、売上は7億円を超えるなど、その影響は計り知れません。

ストーリー概要

物語は、かつての蟇田領主、蟇田定包が毒婦・玉梓の色香に惑わされ、領民を苦しめるところから始まります。彼の行動を見かねた家臣の里見義実が彼を討ちますが、玉梓は呪いの言葉を残し、里見家に暗い影を落とすことになります。

約百年後、玉梓が妖怪として蘇り、里見一族を襲います。ただ一人の生き残り、静姫は、誓いのもとに兵士たちと共に彼女の家族を守ろうと戦います。その中で現れた八人の犬士たちが、静姫を助けるために集結します。彼らはそれぞれ特異な背景を持ち、運命によって導かれながら共闘していきます。

静姫は犬江親兵衛と運命的な出会いを果たし、彼に惹かれていきますが、犬士たちにはそれぞれの課題が待ち受けています。試練を乗り越え、静姫を救うため、彼らは全力を尽くします。

重要なキャラクター

• - 静姫 (薬師丸ひろ子): 里見家の姫で、一族の生き残り。勇気と機知を持ち合わせた人物。
• - 犬江親兵衛 (真田広之): 孤児から成長し、侍になりたいという願望をもっていますが、次第に静姫に心を寄せます。
• - 犬山道節 (千葉真一): 八犬士のリーダー的存在で、過去の出来事を描き残した絵巻を持つ。
• - 玉梓 (夏木マリ): 100年前の悪役で、復活後は凄絶な力を持つ妖怪。

反響と評価

映画は公開当初から話題を呼び、数々の批評家に支持されました。特に深作監督の斬新な演出や特撮技術が評価され、古典的な時代劇に新しい風を吹き込む作品となりました。また、音楽も新鮮で、一部の評価には賛否もありましたが、全体としては娯楽作品として成功を収めました。

本作は、その後も様々なメディアで取り上げられ、リメイクや関連作品が制作されるなど、多方面に影響を及ぼしました。日本映画の一時代を築いた本作は、その独特のスタイルで観客を魅了し続けています。

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