里見岸雄

里見岸雄の生涯と業績

はじめに

里見岸雄（さとみ きしお、1897年3月17日 - 1974年4月18日）は、日本の思想家、人文学者、法学者であり、特に日本国体学の創始者として知られています。彼は戦前の日本における思想界に大きな影響を与え、その活動は現在にも引き継がれています。ここでは、里見の生涯や学問的業績、思想について詳しく述べます。

幼少期と教育

里見岸雄は東京都で生まれ、父は国柱会の創始者田中智学です。母方の祖母や曾祖母に育てられながら、彼は若い頃から多くの宗教書に触れ、自らの思想の土壌を作り上げていきました。鎌倉師範学校付属小学校を経て、静岡県の国柱会施設で厳しい教育を受けたことが、後の彼の思想形成に大きく寄与しました。

大正10年には旧制早稲田大学に入学し、哲学科で学びました。在学中の活動が評価され、首席での卒業を果たします。卒業論文は「日蓮主義の新研究」で、これが彼の思想の基盤を形成しました。

日本国体学の提唱

里見は大正10年代から国柱会関連の講演活動を活発に行い、そこで得た資金をもとに海外へ渡ります。ロンドンやドイツでの留学生活を経て、帰国後に里見日本文化学研究所を設立します。ここで彼は日本文化や国体学に関する研究を促進しました。

1936年には日本国体学会を創立し、国体学科の学術的基盤を確立。彼の活動は日本の国家主義に対する新たな視点を提供し、特に青年層からの支持を集めました。

彼の見解と活動

里見は国体を単なる政治や国民性に似たものと見るのではなく、民族生命体系として捉え、これを深く探求しました。彼はまた、マルクス主義との対立を経て、知識階級や青年層の支持を回復しようとしました。

彼が提唱した「国体科学」は、当時のマルクス主義的思想に真っ向から挑戦するもので、特に『国体に対する疑惑』や『天皇とプロレタリア』などの著作は大きな反響を呼びました。

戦後の活動と影響

終戦後、里見は日本国憲法改正の必要性を訴え、様々な提言を行いました。彼は『日本国体学』という大著を完成させ、国民に対して国体の意義を説く一連の講演を行いました。

彼の学問に対する情熱や行動は、戦後の日本においてもその影響を持ち続けています。憲法や国体論の研究は、今なお多くの研究者によって継承され、発展を遂げています。

終わりに

里見岸雄の生涯は、思想家としての信念と、国体の学術的探求を貫いたものでした。その影響力は、彼の死後もなお日本社会に根強く残り、国体学や法学の分野において重要な役割を果たし続けています。彼の著作や活動は、今後も多くの人々に支持され、研究の対象となり続けるでしょう。

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