日本国体学会

日本国体学会について

日本国体学会（にほんこくたいがっかい）は、法学博士の里見岸雄が創設した学術研究の任意団体であり、保守主義や民族主義の観点からの研究を行っています。この団体は、東京都武蔵野市にある宗教法人立正教団の敷地内に位置する里見日本文化学研究所を事務局としています。日本国体学会は、戦前において大きな影響力を誇った啓発運動を展開し続けており、現在においても機関誌『国体文化』を発行し、様々な有識者を招く定例講演会や学術研究大会を開催しています。

歴史的背景

日本国体学会は、昭和11年（1936年）に国体主義同盟を改組する形で発足しました。その起源は、大正13年（1924年）に兵庫県西宮村で設立された里見日本文化学研究所にまで遡ります。創設者の里見岸雄は、社会主義と皇室伝統が両立可能であると説いた書籍『天皇とプロレタリア』や、国体論に対する疑問を提示した『国体に対する疑惑』などを著し、戦前の思想界において著名な存在でした。

里見は、憲法学者としても知られ、大日本帝国憲法の論文『国体法の研究』を通じて法学博士号を取得しています。また、天皇機関説についても独自の視点から発言するなど、政治的・学問的に幅広く活動していました。戦時中には立命館大学に国体学科を創設しましたが、戦後の影響でその科は廃止されました。

組織の信念と活動

日本国体学会は、自らの思想的背景として日蓮主義の影響を色濃く受けていますが、最近では日本近代史や神道学の研究者を講師に招くなど、研究の幅を広げています。彼らは、保守や民族主義に基づいた学術研究のハブとして機能することを目指しています。

宣言と主張

同団体は「日本国体は日本民族生命体の生み出した精華であり、遠い古代から現在まで続いている」と主張し、国体の存在と重要性を強調しています。また、「国体こそが日本の存在の根本原理であり、道義国家としての日本の発展を支える基盤である」と確信を表しています。

使命

日本国体学会の使命は、政党や宗派を超え、日本国民に国体の存在と価値を再認識させることにあります。学問的、思想的、文化的なアプローチを通じて自主自尊の意識を培うことを目指しています。また、様々な背景を持つ国民が天皇を仰ぎ、一致団結して共存共栄の社会を構築することが求められています。これにより、日本が四海同胞や人類全体のために平和に貢献できるような国家になることを目指しています。

まとめ

日本国体学会は、戦前の思想を基にした啓発活動を続ける中で、時代に応じた研究と議論を展開し、国体の意義を再確認させる取り組みを行っています。日本の歴史や文化、生き方を考察する重要な場として、今後もその役割を果たしていくことでしょう。

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