重成一人

重成 一人

重成 一人（しげなり かずひと）は、1978年9月12日に香川県で生まれた日本の競艇選手です。登録番号は3908。身長168cm、血液型はA型。香川支部に所属する80期生であり、父である重成達郎氏もかつて競艇選手でした。多くの後進を育成しており、平高奈菜選手、中村晃朋選手、川原祐明選手、田頭虎親選手らが彼の弟子にあたります。また、同期には白井英治選手、平田忠則選手、鎌田義選手といった、現在も競艇界の第一線で活躍する多くの有力選手が名を連ねています。

キャリアの歩み

彼の選手としてのキャリアは、1997年5月9日に地元の丸亀競艇場で幕を開けました。デビュー翌日の5月10日には早くも初勝利を挙げ、その素質の高さを示しました。同年12月10日には徳山競艇場でキャリア初の優勝戦進出を果たします。そして、初優勝は2000年3月19日、若松競艇場でのことでした。この時の優勝戦では4コースからスタートし、見事な「抜き」を決めて栄冠を掴んでいます。

トップレベルへの階段を駆け上がる重成選手は、2004年3月に福岡競艇場で行われた総理大臣杯競走で、最高峰の舞台であるSGに初出場を果たします。さらに同年6月には、同じ福岡競艇場での周年記念競走で自身初のG1タイトルを獲得しました。この優勝戦では6コースからのスタートという不利な状況ながら、「抜き」によって勝利を収め、その卓越したレースセンスと勝負強さを印象付けました。

その後もSG戦線での活躍は続き、2009年3月の多摩川競艇場での総理大臣杯でSG初優出（5コースから4着）を飾ります。2011年12月には住之江競艇場で行われた賞金王決定戦に出場。トライアル第3戦では、6号艇ながら果敢な前付けでインを奪取し、そのまま逃げ切って決定戦への切符を手にしました。決定戦では3コースからスタートし6着という結果でしたが、大一番での駆け引きと速さを見せつけました。この他にも、2012年6月の芦屋競艇場でのグランドチャンピオン決定戦（優出5着）、2016年5月の尼崎競艇場での笹川賞（優出2着）、同年6月の蒲郡競艇場でのグランドチャンピオン決定戦（優出3着）など、数々のSG競走で優勝争いに絡む活躍を見せています。

また、記念すべき記録として、2013年2月26日には下関競艇場で通算1000勝を達成しました。これは長年にわたる彼の安定した実力と努力の証と言えるでしょう。

主な獲得タイトル

重成選手は、これまでに多くのG1およびG2タイトルを獲得しています。

G1タイトル

第51回福岡チャンピオンカップ（2004年6月17日、福岡競艇場）
第55回京極賞（2007年6月21日、丸亀競艇場）
第51回四国地区選手権競走（2008年2月14日、丸亀競艇場）
第57回京極賞（2009年7月7日、丸亀競艇場）※同タイトル2回目の獲得
第59回全日本覇者決定戦（2011年6月16日、若松競艇場）
第57回競帝王決定戦（2011年11月8日、下関競艇場）

G2タイトル

* モーターボート大賞（2011年10月4日、丸亀競艇場）

キャリアの試練と再起

順調にキャリアを積み重ねていた重成選手でしたが、2020年3月には私生活における問題が発生しました。自宅で妻に対する暴行の容疑で香川県警に現行犯逮捕されたのです。この件は同年4月に不起訴処分となりましたが、競走会はこの事態を重く受け止め、2020年6月5日の褒賞懲戒審議会において、同年6月6日から15ヶ月間の出場停止処分を下しました。選手生活の長い期間を棒に振ることになる、極めて重い処分でした。

この長期のブランクを経て、重成選手は2021年9月8日、若松競艇場での西日本スポーツ杯でレースに復帰しました。大きな困難を乗り越え、再びプロの競艇選手として水面に立つことを選んだ彼の姿は、多くのファンに強い印象を与えました。

父の背を追って競艇選手となり、多くの弟子を育て、数々の栄光を手にした一方で、キャリア最大の試練も経験した重成一人選手。波乱に満ちた選手人生を経て、ベテランとなった現在も香川支部の中心選手として、その存在感を示し続けています。

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