重症心身障害児

重症心身障害児とは

重症心身障害児（じゅうしょうしんしんしょうがいじ）とは、児童福祉法に基づき、重度の知的障害と肢体不自由が同時に存在する児童や生徒のことを指します。これは、児童福祉法第7条第2項に明記されています。

概要

この障害を持つ子どもたちは、しばしば「重症心身障害児」と呼ばれています。「重心」との略称も使われることがありますが、響きから差別的な印象を受けることがあるため、児童期には「重症心身障害児」、成人期には「重症心身障害者」と呼ぶことが推奨されています。また、しばしば「重症児」や「重症者」という略称が使用されることもあります。

日本では、重症心身障害児の定義が明確でないため、施設入所に関して制限が生じることがあります。医学的には、大島一良による「大島分類」に基づき、障害の重症度が定義されています。具体的には、重症心身障害は1から4の段階に分けられ、特に重い状態の子どもは「超重症児」と称されます。教育法上では、これらは重度重複障害の一種と見なされています。

学校教育

重症心身障害を持つ児童・生徒には、個別の状態に応じた特別支援教育が提供されます。特別支援学校に通うことが一般的で、肢体不自由や病弱な子どもに特化した支援が行われます。教育内容は、しばしば自立活動に重点を置いたものとなります。しかし、保護者や児童の希望も考慮されるため、自宅近くの知的障害に特化した特別支援学校に通う場合もあります。このため、教育に関わる保護者や教員、その他の関係者に対する負担軽減が重要な課題として取り上げられています。

支援と生活の質向上

重症心身障害児への支援は、個別のニーズに応じた細やかなものであり、生活の質（QOL）の向上を目指しています。具体的な支援の一例として、人工知能やコンピュータ技術を活用したAAC（拡大・代替コミュニケーション）があります。これにより、児童が自らの意思を表現しやすくなり、コミュニケーションの幅が広がることが期待されています。こうした支援によって、心理的な面にも良い効果が見られることが多くあります。

重症心身障害児への教育や支援は、彼らの生活をより豊かにし、社会とのつながりを深めるための重要な手段です。教育関係者や保護者、地域社会が連携し、彼らの支援に取り組んでいます。

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